Home » ロレアルがARメイクアップシステムの特許を出願、バーチャルメイクの自由度広がるか


テック 2022.07.26

ロレアルがARメイクアップシステムの特許を出願、バーチャルメイクの自由度広がるか

大手化粧品メーカーのロレアルは、ARメイクアップシステムの特許を出願しました。「デジタルメイクアップパレット」「デジタルメイクアップアーティスト」と名付けられたメイクアップシステムでは、ARと機械学習を応用することで、より自然な「バーチャルメイク」を体験できます。

2022年7月現在、既に複数のバーチャルメイクアプリが存在し、顔写真にファンデーションやアイシャドウなどを適用することで、メイク後のイメージを提示・編集することを可能にしています。しかし、このようなアプリでは、「バーチャルな自分自身の顔」に直接、メイクをする体験ができません。またユーザが「金曜日の夜のデートに最適なメイク」を望んでいた場合、個人の嗜好や天気などを反映したメイクにならず、既存アプリから提案された結果は自分の理想と反している可能性もありました。

ARメイクアップシステム

「デジタルメイクアップパレット」では、メイクパレットの鏡(ディスプレイ)を介して仮想メイクをした自分自身の姿を見ることができます。メイクパレットにはディスプレイや通信機能が内蔵されており、ブラシの動きに従って、線の太さを変えたり、繊細な濃淡をつけることもできます。ブラシを使わずに、ユーザの指の動きを認識して、仮想メイクに反映することも可能です。

他にも、仮想世界の自分自身の顔のパーツ(目や唇など)を拡縮したり、しみ・シワ・傷跡・色素沈着を消すこともできるので、より理想に近い自分の姿を生成することが可能になると特許文書内に記載されています。

機械学習を用いた個人への化粧アドバイス

「デジタルメイクアップアーティスト」では、自分の顔に希望通りのメイクをするための手順を教えてくれるようなメイクアップ体験が可能になります。カメラで撮影した顔写真から、肌の色・目の色・髪の色・唇の色・肌の質感を決定すると、事前に登録されたユーザの嗜好・肌の状態・屋内外の環境・民族などのパーソナルな情報に合わせて機械学習を用いて最適な化粧品と化粧方法をアドバイスします。アドバイスに従って化粧を施した自分の姿をソーシャルメディア(Instagram、LinkedIn、TikTok、Snapchatなど)のオンラインプロフィール写真や仮想世界のアバターとして作成することもできます。

これらのメイクアップシステムにより、自分が試してみたいメイクや理想の姿を見ることができ、個人の嗜好やニーズに適合した新しいメイクアップ体験になりえます。

(参考)WIPO [1] [2]


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード