インターピア株式会社は、リハビリテーション分野の専門学生向けVR教育プログラムを開発しました。高校・専門学校での導入を想定したサービスで、成績向上や中退リスク軽減の効果があるとのこと。理学療法士や介護福祉士といった、対人援助職の職業体験・試験対策を行います。
本サービスは、インターピアが手がけるVR技術導入支援サービス「KANTAN VR」の一環で提供されます。リモコンレス操作、イタズラ防止機能、授業の進め方レクチャーなど、教育現場で起きうるトラブルを考慮したサポートプログラムも含まれます。対象デバイスには、中国メーカーPICOの一体型ヘッドセット「Pico neo3 Pro」を採用しています。
また、教育プログラムは学校法人敬⼼学園グループが監修しています。同グループは介護福祉士・理学療法士などの専門学校を30年以上にわたって複数運営しており、文部科学省「専修学校における先端技術利活⽤」に採択された実績もあります。
「VR活用教育プログラム」の内容
このサービスには「OSCE(客観的臨床能⼒試験)学習教材」と、購入特典の「専門職 職業体験学習」「サポートプログラム」が含まれます。通常価格は24.8万円/台(最少ロット10台)です。
OSCE(客観的臨床能⼒試験)学習教材
OSCE(客観的臨床能⼒試験)学習教材は、医療・福祉分野において臨床技能・態度を評価する試験対策のための教材です。資格取得を目指す学生にとって習得しにくい実技項目がシミュレーションできます。以下の13項目について、正しい⼿順や安全のポイントを習得できるとしています。
- レベル1:⾞いす駆動介助
- レベル2:脈拍と⾎圧・関節可動域測定・筋⼒測定・筋トーヌス(筋緊張)検査・感覚検査
- レベル3:関節可動域運動
- レベル4:歩⾏分析・歩⾏介⼊・起き上がり分析・起き上がり介⼊・⾞いすの移乗・スプーン操作分析
同社によれば、学⽣1,150名を対象とした実証実験を2年間にわたって行ったところ、受講者の80%は通常授業と比べて学習効果が向上したとのことです。
専⾨職 職業体験学習
購入特典の「専⾨職 職業体験学習」は、高校生向けの進路指導や学校説明会(オープンキャンパス)を想定した360°動画コンテンツです。リハビリが必要になった患者に関するストーリーを、専⾨職スタッフ側と患者側それぞれの⽬線で体験できます。対象職種は次の通りです。
- 理学療法⼠
- 作業療法⼠
- 柔道整復師
- 鍼灸師
- 介護福祉⼠
- 社会福祉⼠
- 保育⼠
同社によれば、このコンテンツを用いたことで、従来比で6倍の集客効果が得られた事例もあり、学生募集施策にも貢献できるとのこと。
(参考)インターピア