PCメーカーのHPは、NVIDIAとインテルのハイエンドチップを搭載したVR用バックパックPC”Z VR Backpack G1”を発表しました。NVIDIAのクリエイター向けGPU Quadroを搭載しているため、一般消費者向けのバックパックPCよりもパワフルな機種となります。
4.6kgのコンパクトな筐体だが、高負荷な処理もスムーズに
10.2ポンド(約4.6kg)の”Z VR Backpack G1”にはドックが付いており、バックパックPCとして利用しないときにはデスクトップワークステーションとして利用できます。また、バッテリーは2つ搭載されており、これらも取り外して充電でき、充電の際にはPC本体に内部バッテリーが搭載されているため、2つのバッテリーを一度に交換が可能です。
本PCはロサンゼルスで開催中のCG学会SIGGRAPH2017にて展示されています。体験したMogura VRの記者によると「(自身が)普段携帯しているカバンより軽く、むしろ普段使用しているノートパソコンをリュックに入れて背負ったよりも軽く感じるにも関わらず、大きい工場の点群を表示しながら歩き回っても90fpsがしっかり出ていた。」とのこと。バックパック型に最適化した重量感とパフォーマンスの高さが印象的だった模様です。
仕様比較
Z VR Backpack G1の機能と仕様は以下の表の通り。また、MSIが提供しているVR向けバックパックPC”VR One”も比較として掲載します。Z VR Backpack G1は公開されていない点もありますのであらかじめご了承ください。
名称 |
Z VR Backpack G1 |
MSI VR One |
OS |
Windows 10 Pro |
Windows 10 Pro |
CPU |
インテル® Core i7のvProを搭載した第7世代 |
インテル® Core™ i7-6820HK(2.7GHz / Turbo 3.6GHz)4C8T |
グラフィックカード |
NVIDIA® Quadro P5200 16GB GDDR5 メモリ |
NVIDIA® GeForce® GTX 1070(GDDR5 メモリー8GB) |
メモリ |
SO-DIMM 32GB(16GB×2) |
DDR4-2400 SO-DIMM 32GB(16GB×2) 空きスロット無 |
HDD/SSD |
M.2.スロットを使用 |
SSD 512GB(M.2 NVMe 準拠 PCIe Gen3) |
ディスプレイインターフェイス |
Z VR Backpack G1から直接2台、ドック経由でさらに2台の合計4台のディスプレイに接続可能 |
HDMI×1 / ミニディスプレイポート×1 / Thunderbolt3(USB Type-C)×1 |
バッテリー |
ホットスワップ対応バッテリー(6セル 55Whr×2)と内臓バッテリー |
2 基のホットスワップ対応リチウムイオンバッテリー搭載(8 セル 91Wh×2) |
対応VRHMD |
HTC Vive※1 |
HTC Vive、Oculus Rift、3Glasses 等 |
サイズ |
未公開 |
409×292×54(mm) |
重量 |
10.2ポンド(約4.6kg) |
3.6 ㎏(バッテリー含む) |
値段 |
3,295ドル(約36万円) |
30万円前後 |
※1 Oculus Riftへの対応は不明。
付属品
Z VR Backpack G1には以下のものが付属しています。
・HP Z VRコンパクトワークステーション
・HP Z VRバックパックドック
・HP 330WスマートACアダプタ
・HP Z VRバックパックハーネス
・HP Z VRバックパック外付けバッテリ ×2
・HP Z VRバックパック外付けバッテリ充電器
・HP 180WスマートACアダプタ
・HTC Vive コンボケーブル
Z VR Backpack G1の価格は3,295ドル(約36万円)で、9月に発売されるとのこと。日本での発売及び価格は、現在未定となっています。
(参考)
HP Reveals $3,300 Z VR Backpack G1 With NVIDIA Quadro P5200 and Intel i7/UPLOAD VR(英語)
https://uploadvr.com/hp-reveals-high-end-z-vr-backpack/