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業界動向 2019.01.23

高解像度VRを実現するシステム、グーグルも特許出願 各社の開発続く

Googleが米国特許商標庁に対して、フォービエイテッド・レンダリングにより描写された映像の圧縮を目的とした、圧縮システムの特許を出願していたことが判明しました。

フォービエイテッド・レンダリングとは、VRヘッドセットに描画をする際、人の中心視野ほど高解像度で、視野の外側に行くに従って低解像度で描画する手法です。人間の視界に近い映像描写が可能な他、GPU負荷の軽減が可能です。

一体型VRヘッドセットへの搭載を想定

今回特許が出願された圧縮システムは、一体型VRヘッドセットへの実装を目的として開発されました。仕様書によると、圧縮システムは、フォービエイテッド・レンダリングで描写された映像の、高解像度部分に作用するとのことです。仕様書は、専用のチップにより、圧縮された高解像度の映像と、その他の低解像度の映像が、不具合なく結合できるとしています。

出願自体は2017年に行われていた

新圧縮システムの特許出願は、2019年1月第4週に公開されました。出願自体は、2017年7月に、既に米国特許商標庁へと出願が行われています。Googleは、2017年後半に「フォービエイテッド圧縮と送信を実現するには(Strategies for Foveated Compression and Transmission)」という研究ノートを公開していました。これは、今回特許出願が判明した新圧縮システムと関連した研究と推測されます。

同様の研究はFacebookも

フォービエイテッド・レンダリングは、VRヘッドセットの開発を進める企業の多くが研究を進めています。Oculus RiftやOculus Goを販売するFacebookは、2018年12月に、フォービエイテッド・レンダリングを実装したVRヘッドセットの特許を取得しました。

Facebookの特許では、高解像度の映像を、VRヘッドセットの高解像度の小型ディスプレイに、それ以外の映像を低解像度のディスプレイに送りレンズに描写することで、フォービエイテッド・レンダリングを実現します。アイトラッキングの実装による、ユーザーの眼の動きに合わせた解像度の調整機能を有するのも特徴です。

スタートアップ企業では、フィンランドのVarjo Technologies(以下Varjo)が、解像度の調整機能を搭載したVRヘッドセットの開発を進めています。VarjoのVRヘッドセットは、Facebookの新VRヘッドセットと同じく、小型高解像度レンズと低解像度レンズを組み合わせた構造となっていますが、アイトラッキング機能は実装されていません。

(参考)UploadVR


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