福島県喜多方市の観光振興政策として、地元酒蔵や観光名所の3Dバーチャルツアーが始まりました。福島民報が4月29日に報じました。
福島民報によれば、福島県喜多方市で地元の酒蔵や観光名所を4Kカメラで360°撮影し、制作した3Dバーチャルツアーをネット上に公開する観光振興策が始まりました。喜多方市と地元のマルフク写真館が撮影協力して行っています。ライターの田和チサト氏による取材レポートをお届けします。
満開の桜並木を3Dバーチャルツアーで体験。来年の観光客を誘致。
撮影場所の一つは、4月上旬の満開の桜並木。
昭和59年に廃線した旧国鉄日中線に約3kmにわたって約1,000本のしだれ桜が咲く並木道は、地元の春の観光名所です。
並木道の一部(約160m)を昼間と夜の2パターンを撮影し、喜多方市のホームページで公開しました。
このバーチャルツアーをパソコンやスマホで閲覧する場合は、前方や後方をクリックすることでカメラを移動させて画面上で動き回れます。Meta Quest2などのVRゴーグルで閲覧すると、ゴーグルの動きに合わせて映像が動き、その場にいるような没入感の高い映像を体感できます。
福島民報によると、喜多方市の観光交流課の担当者は「来年以降、足を運んでもらうきっかけになってほしい」と話しており、地域の観光振興に期待しています。
歴史的な酒蔵の3Dバーチャルツアーで海外客を誘致
また、桜並木の他にも、地元の大和川酒造の展示蔵を撮影。江戸時代に建てられた土蔵や大正時代に建てられた貯蔵蔵など、歴史的・文化的価値のある建造物をVR上で探索できます。
大和川酒造では自社ホームページでの公開も視野に入れ、「映像で海外からの客を呼び込める。活用策を考えたい」と話しているとのこと。
地元写真館のVR撮影サービスについて
撮影を行ったマルフク写真館のウェブサイトによると、撮影には米国メーカーのMatterport Pro3が使用され、360°空間を撮影することで空間VRコンテンツを制作しています。VRデータはGoogleストリートビューと連携でき、撮影場所の宣伝につなげることができるようです。
同社はVR撮影サービスの顧客として、観光業界、建築・ハウスメーカー、市町村や教育機関などを見込んでいます。
(出所:Matterport)
(参考)福島民報、喜多方市、MARUFUKU VR