小型軽量な眼鏡型ARデバイスとそれを実現するためのディスプレイ技術の研究開発が各社で進められています。
Facebookは2017年にAR用「スモールフォームファクタ(※)搭載、広範囲FOV(視野角)実装、大型アイボックス搭載ディスプレイ」を特許出願、2019年1月に登録されました。
(※スモールフォームファクタ:小型、省スペースのパソコン)
広い視野角を実現
今回特許登録された新型AR用ディスプレイには、ウェーブガイドテクノロジーが採用されています。ウェーブガイドは、光を含む電磁波の伝送に用いられる構造体です。AR用ディスプレイには、ウェーブガイドを用いて、ディスプレイから投影された映像を利用者の眼へと伝達する方式があります。
出願書類によると、新型AR用ディスプレイは、最低でも60度(水平52度、垂直30度)の視野角を実現しています。2019年1月現在、発売されているARデバイスのうち、Microsoft Hololensの視野角は30度、Magic Leapが開発したMagic Leap Oneの視野角は40度です。
まだ姿は見せていないFacebookのARデバイス
Facebookは、ARを同社のロードマップの中でVRと並び位置づけています。最終的な形状として眼鏡型のデバイスになるとのコンセプトを披露しており、2018年10月にはARグラスを社内で開発していることを明らかにしています。
2018年10月、Oculus(現Facebook)主催の開発者会議Oculus Connect 5で、FacebookのVR/AR開発部門、Facebook Reality Labsの主任研究員であるマイケル・エイブラッシュ氏が、ARデバイスの今後について講演しました。エイブラッシュ氏は、ARの課題は、普及率とデバイスの重量である語り、重さは理想として70g以下が望ましいと説明しています。
ARデバイスの視野角に関しては、各社の研究開発が続いています。2019年初に開催されたCES2019にて中国のnreal社が発表した「nreal light」は55度の視野角を実現していました。また、2019年2月末にはMicrosoftがHoloLensの次世代機を発表するとの見方が強まっており、その性能に注目が集まります。
(参考)UploadVR