VR内でキャラクターの髪や頬を触ったとき、風船やロボットを捕まえたとき、目では手が確かに触っているように見えても、手に何も感じないことでVR内のものは存在しないと実感してしまいます。
もし現実に物に触ると感触があるように、VRの手にも感触があったなら、人は見えている光景を現実だと思うのではないでしょうか?
触れていなくても触れるように感じる、「触覚」の再現(触覚のVR)は現在国内外で技術の研究が進められています。
今回は日本のexiii株式会社が開発を進めている触覚デバイス「EXOS」を紹介します。
スーパーボールやグミの触感の差が伝わる
『EXOS – The next interface for the virtual world』(以下『EXOS』)は手に装着することでVR内で物を持ったときに触感が伝わるデバイスです。
筆者がイベントで試したデモでは触感の違う箱やボールを摘まんだ指先に力を入れて、触感の違いを試しました。
指に力を入れて押すと、押しても深くめり込むことのない固さで、まるで弾力のあるスーパーボールのような触感の箱は投げると良く弾みます。
押して指がめり込むようになるのはグミのような触感の箱。逆に強く摘まんでもめり込まない固い箱。映像の中に箱を摘まんでいるように感じない、指と指の間に確かに箱があるように感じます。
『EXOS』の仕組みは体験者が手や指に力を入れ押したときに、内部のモーターが、触感に応じて逆の力を加えることで様々な触感を表現します。
『EXOS』は現在強弱を200段階ほどの触感を調整して表現できるとのこと。
手のように摘みやすい形
『EXOS』を装着したとき、人差し指と親指で摘まめるようになっているため、ハンドコントローラOculus Touchで物を持つ感覚と近く、VR内に手があるかのような感じがします。ただし、今は『EXOS』自体が重いことが気になり、自分の手がVR内にあることより装着している感覚が強いですが、今後軽量化していくとのことです。
触感が加わるとただの箱が、マシュマロにもグミにも変わる、VRがより現実と変わらない体験であると強く感じられるデバイスです。
EXOSの製品化の時期等については2017年6月時点では不明となっています。