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開発 2024.03.14

Epic Gamesが「Unreal Engine」の価格改定を発表。非ゲームで年間収益100万ドル以上はサブスク制に移行、ゲームでの利用は変更なし

Epic Gamesは、非ゲーム開発企業に向けた「Unreal Engine」の新しい価格体系を発表しました。年間総収益が100万ドルを超える非ゲーム開発者は、サブスクリプションベースの料金体系に移行し、1シートあたり年間で1,850ドル(約27万円)の支払いが必要になります。

なお、ゲーム開発における利用は変更されず、「基本無料、収益100万ドルを超える製品は5%のロイヤリティ支払い」のままとなっています。また、このサブスクリプションベースの料金体系は、Unreal Engineのバージョン5.4以降に適用されます。バージョン5.3またはそれ以前のUnreal Engineを使用し続ける場合、料金は発生しません。

Unreal Engineが非ゲーム企業向けに価格改定、2024年4月末から

Epic Gamesは2023年10月、開発者イベント「Unreal Fest 2023」にて、非ゲーム企業におけるUnreal Engineの料金体系の変更を検討していることを明らかにしていました。「まだ正式な発表ではないが、透明性を高めるために告知する」としつつ、「自動車や映像業界向けで、ゲーム業界に向けては変更を行わない」「おそらくMayaやPhotoshopのようなツールと近いライセンスモデルになる」とコメントしていました。


(「Unreal Fest 2023」で価格改定について語るTim Sweeney氏。Epic GamesのYouTube動画より引用)

今回の価格改定により、2024年4月下旬のUnreal Engine 5.4リリースと同時に新しい料金体系が適用されます。この料金体系は「年間総収益が100万ドル以上を超える企業」「ゲームを開発していない」、かつ「サードパーティのエンドユーザーにライセンスを供与し、ランタイム時にUnreal Engineのコードに依存するアプリケーションを作成していない」利用者を対象としており、1シートあたり年間1,850ドルの支払いが必要になります。

ゲーム開発者は引き続き、「基本は無料」かつ「総収益が100万ドルを超える製品は5%のロイヤリティを支払う」システムが継続されます。また、Epic Gamesのゲームストア「Epic Games Store」を通じて得た収益は、ロイヤリティの計算から除外されます。また、料金はUnreal Engine 5.4以降でのみ適用され、5.3以前のバージョンのまま更新しない場合は適用されません。

TwinmotionとRealityCaptureはUEに統合、単体で使う場合はサブスク制に

合わせてEpic Gamesが保有しているリアルタイムビジュアライゼーションツール「Twinmotion」、およびフォトグラメトリ用ソフトウェア「RealityCapture」の価格改定も発表されました。これらのツールはUnreal Engine 5.4以降、個別の売り切り販売を終了し、Unreal Engine本体のサブスクリプション経由で利用可能になります。

なお、それぞれのツールのライセンスを単体でサブスクリプションとして購入することも可能。Twinmotionは年間445ドル(約6.6万円)、RealityCaptureは年間1,250ドル(約18.5万円)の支払いが必要になります。

今回の価格改定は、自動車や建築分野等におけるUnreal Engineの産業利用、および映像業界での活用が進んでいることを受けたものと思われます。なおEpic Gamesは発表において、「教育やアマチュアデベロッパー、そして年間総収益が100万ドルに満たない企業に対しては、Unreal Engineを無料で提供し続ける」と明言しています。

(参考)Epic Games


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