米大手ECサービスを運営するeBay Inc.(イーベイ)は、AR(拡張現実)技術を導入することを検討しています。同社マーケットプレイス上でのインターネット売買のサービス向上をはかる目的があるようです。
eBayはカリフォルニアのサンノゼを拠点に、世界中でインターネットオークションサイトやECサービスを展開するIT関連企業です。米ニュースメディアBloombergの報道によると、eBayはアップルのAR機能「ARKit」の導入に取り組んでいると話しています。「ARKit」が導入されれば、買い手が新しい車を買う前にイメージを見せることや、売り手が梱包用の箱を選択する前に、商品に箱のイメージを合わせるだけで正しいサイズを計るといったことが可能になります。
進化するeBayのEコマース
先日サンフランシスコで、ゴールドマン・サックスがスポンサーを務めるテクノロジーカンファレンスが開催されました。eBay CEOのDevin Wenig氏は、カンファレンスで「買い手が商品の購入を決めるのは、ユニークな商品や手頃な価格、迅速な配送だけが理由ではありません。」と述べています。同氏はまた「多くの人はEコマースは物流管理だけだと考えていますが、それだけではありません。コスト、利便性、在庫もまた同様に重要です。」と語っています。
Wenig氏は、小売業は統合されていき、買い手がインターネットを通じて欲しいものを直接購入することができるようになると言及。その前に建てられた実店舗はどんどん閉鎖していくと予想しています。同氏は「この傾向は、店舗をもつ小売業者とeBayがパートナーシップを組み、オンラインショップ拡大を望んでいる小売業者の新しい機会になっていくだろう。」と話しています。
AIが欲しいものを教えてくれる
eBayの副社長であるモハン・パット氏は、「eBayの成長戦略として、ホームページを訪問者ごとにパーソナライズできるよう人工知能やデータの活用方法を拡大することや、オンラインショッピングをより楽しめるようにARツールなどの機能を導入することが重要です。」とインタビューで語っています。
また同氏は「eBayの目標は、欲しいものを買いにきている顧客だけでなく、他ジャンルで刺激的な何かを検索している愛好家達までも取り込むことです。」と述べています。加えて「パーソナリゼーションとは、自分が欲しいかどうかさえ知らなかったものを購入してもらうことです。」とも語りました。
eBayはマーケットプレイスで新しいショッピング体験を提供するAI開発のため、データサイエンティストのジャン・ペデルソン氏を雇用したことを発表しています。同氏は最近までSNSで知られるTwitter社で、データサイエンティストの担当副社長として活躍していました。
(参考)
EBay Is Working on Tech Tools to Make Online Shopping More Fun
/ Bloomberg(英語)
https://www.bloomberg.com/news/articles/2018-02-13/ebay-working-on-tech-tools-to-make-online-shopping-more-fun
eBay Hires Jan Pedersen as Chief Scientist, Artificial Intelligence(英語)
https://www.ebayinc.com/stories/news/ebay-hires-jan-pedersen-as-chief-scientist-artificial-intelligence