今後5年間で、XR(VR/AR/MR)市場のカギを握る地域はどこでしょうか?AR/VRやモバイル分野を中心に調査・投資を行うDigi-Capitalは、ヨーロッパ市場に注目しているようです。
国別市場規模 トップは中国
ヨーロッパ市場の最大の特徴は、様々な文化を持つ40以上の国を地域内に擁している点だと言えます。各国の言語、経済状況、法規制といったものは非常に多様です。
Digi-Capitalは、2023年の国別のXR市場規模は上位から中国、アメリカ合衆国、日本、韓国、インドと予測しています。欧州域内では、ロシア、ドイツ、英国、フランス、イタリアが上位5カ国です。
地域別:過半数はアジアだが……
一方、国ではなく地域単位での市場予測は、アジアが全体の51%と圧倒的な規模を見せています。そしてこれに次ぐのがヨーロッパの25%、北米は17%で3位というのがDigi-Capitalの予測です。
確かに国単位で見れば北米が第2位ですが、”地域”という観点ではヨーロッパに後塵を拝する、という見方になります。
市場の拡大はスマホやゲームに類似
Digi-CapitalはインストールベースでのXR市場の特徴として、ARの広がりはスマートフォンの普及状況とおおよそ類似していると指摘します。VRについても、ゲーム市場の広がりと大体同様だということです。
この他にも、XR市場の売上内容にはハードウェア、エンタープライズ向けソフトウェアやサービス、アプリ販売、ロケーションベースのエンターテイメント等様々なものが含まれています。しかし、長期的視点では上記インストールベースと同様の拡大を見せるのではないでしょうか。
ユーザー数やユニットエコノミクスといった要素が、グローバルでの市場の流れを決める、というのがDigi-Capitalの見方です。これに基づけば、大規模な消費者を抱え、産業でのイノベーションの歴史を持つヨーロッパ地域は、XR市場でもポテンシャルを持つと考えられます。
(参考)Venture Beat