株式会社デンソーは、安城製作所にある実証施設「CO₂循環プラント」で、2020年から来場者向けに、二酸化炭素(CO₂)のリサイクル技術を可視化するARシステムを展示しています。設計・開発は株式会社Moguraが担い、現在まで運用・アップデートが続いています。
二酸化炭素排出ゼロを目指す実証施設「CO₂循環プラント」
日本政府が2019年に宣言した「2050年カーボンニュートラル」実現に向けて、多くの民間企業が「脱炭素経営」に取り組んでいます。デンソーは、政府目標よりも早い「2035年までのCO₂排出ゼロ」を目指しており、その取り組みの1つが実証施設「CO₂循環プラント」です。
CO₂循環プラントは、工場の生産工程で生じる排ガスからCO₂を回収し、水素(H₂)を結合させメタンガス(CH₄)を合成する施設です。生み出されたメタンガスは、工場で燃料として利用できます。水素の生成に必要な電力も再生可能エネルギーを用いており、仕組み全体でCO₂排出ゼロに近づけています。
(CO₂循環プラントの仕組み。出所:デンソー)
「CO₂循環」イメージをARならではの表現で伝える
株式会社Moguraは、このCO₂循環プラントの仕組みを伝えるARシステムを開発しました。CO₂回収やメタンガス合成のイメージを、3Dエフェクトで現実空間に重ねて投影できます。工場内のどの装置でどんな化学反応が起きるか可視化することで、文章やイラストでは表現しづらい仕組みや、カーボンニュートラル実現のメリットを「目で見て、より分かりやすく」伝えられます。
このARシステムは、デンソーの企画原案をもとに、Moguraが企画調整・設計・開発を一貫して担いました。2020年から施設内で展示され、ARデバイス「HoloLens 2」やiPadで体験できます。デンソー・環境ニュートラルシステム開発部(CO2システム開発室)の担当者は、このARシステムを用いて「実証施設をご見学に来られたお客様に、装置構成や動作を短時間でご理解頂くことができました」とコメントしています。
気候変動対策に向けた「脱炭素経営」にXR技術を活用
「パリ協定」は、地球温暖化対策のための国際協定です。2015年にCOP21(国連気候変動枠組条約締結国第21回会議)で採択されました。日本を含む186以上の加盟国が、この協定に基づく温室効果ガス排出削減などの長期目標(約束草案)を提出しています。
それらを踏まえて日本政府は、2019年に「2050年カーボンニュートラル」実現を目指すと表明。民間企業も「脱炭素経営」に取り組んでいます。デンソーは、政府目標よりも早い2035年までに、事業活動のカーボンニュートラル(CO₂排出の実質ゼロ)を目指しています。
「Mogura NEXT」について
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