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テック 2018.09.10

スタンフォード大ら、脳震盪を学ぶVR開発 スポーツ中のリスク低減

健康や医療に関する教育活動を行う非営利団体TeachAidsと米国のスタンフォード大学は共同で、VRを使ったプロジェクトを進めています。スポーツをする若者らに身近な、脳震盪に関する正しい知識を伝えることを目指します。

TeachAidsのCEO、Piya Sorcar医師はプロジェクトの背景について次のように語ります。「アメリカ疾病管理予防センターによれば、今後10年の間に、学校でスポーツをする2,000万人以上の子供が脳震盪を起こすと推計されています。ヘルメットでも防ぐことは出来ません。そして生徒や保護者、スポーツチームのコーチの大半は、脳震盪への対応や治療に関する最新の知識を身につけていません」

VRで脳震盪を体験、プロ選手のインタビューも

両者が進めるCrashCourseのカリキュラムは、HD映像とVRの両方で提供予定です。
コンテンツは大きく4部で構成されています。まずは実際に撮影されたスポーツシーン。選手の視点に立ち、試合中に脳震盪を起こして倒れる、というリアルな体験が出来ます。その後どのように行動するか、自分で選ぶ場面もあります。

次に脳震盪の症状のシミュレーションです。実際にどのような症状が出るのか、様々な例が説明されます。また、目の前がぼやけるといった症状を実際に体験します。

3つ目に脳内の様子を見る場面です。豊かなビジュアルで再現されたバーチャルな脳の様子をじっくりと見て、その仕組を学びます。

そして最後に、プロのスポーツ選手がトレーニング方法や、脳震盪について語ります。フットボール選手のブライアン・バルケ選手や元NFLプレイヤーのジム・ブランケット選手らへのインタビューを通して、脳震盪に関する間違った理解や恐怖をなくし、正しい知識や理解を深めようという狙いです。

正しい知識で2次災害のリスクを低減

スタンフォード大学のDaniel Daneshvar医師は「脳震盪に関する正しい知識を身につけることで、2次災害のリスクを3分の1~5分の1に減らすことができます。選手や保護者がこの問題を理解することが、安全なスポーツ環境を作る第一歩となります」と話しています。

CrashCourseのHD映像版は、9月8日からTeachAidsのウェブサイトにて無料で公開されます。VRバージョンは2019年9月のリリースを予定しています。

(参考)VRScout
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