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投資 2023.11.20

日本発・AR技術開発のCellidが資金調達、累計調達額は22.8億円に

ARグラス関連技術を開発するCellid株式会社が、SMBC日興証券から資金調達を行った旨を発表しました。調達資金は量産体制と品質管理体制の確立、プロセス開発の加速、Model Builderをはじめとしたソフトウェアの開発及び販売に充当されるとのことです。


(出所:Cellid)

2016年創業のCellidは、ARグラス用レンズと空間認識エンジンの開発・販売を手がけるディープテック・スタートアップです。ARグラス向けにウェーブガイド(導光板)を用いたディスプレイ・モジュールを開発・販売しています。以下の製品特長を持ち、2022年にサンプル提供とデモを開始しています。

  • 1. 405 nits/lumenと高い光効率(同程度の視野角を持つ製品と比べて最高水準)
  • 2. アイボックス20mm X 12mm(同上)
  • 3. 60°の対角視野角(FOV)(世界最大)
  • 4. 1.2ミリの薄さ(カバー・ガラスを含む)
  • 5. 2層でフルカラーを実現するシンプルな機構
  • 6. 先端的な回折光学素子(DOE: Diffractive Optical Element)方式


(出所:Cellid)

また同社は、汎用カメラ映像を入力情報とする3Dモデル作成・閲覧サービス「Model Builder」、3次元位置情報の取得サービス「Position Finder」を開発・販売しています。建築・土木業や製造業を中心に案件実績があり、東京大学先端技術研究所などとの共同研究も行っています。

ARグラスの必須技術を保有、各社から成長期待

今回の資金調達により、Cellidの調達した総額は22億8千万円に達しました。過去にはトッパンフォトマスク、TEL Venture Capital, Inc.(東京エレクトロン子会社)、アクサ生命株式会社、株式会社エプコなどが出資しています。

今回の資金調達について、SMBC日興証券株式会社 マーチャント・バンキング部 ディレクターの中西孝介氏は「ネクストデバイスとして期待されるARグラスのキーコンポーネントであるWaveguideにおいて世界最高水準の技術を有し、白神CEOのリーダーシップのもと、革新的プロダクトの創造に全力で取り組むCellid社のチャレンジに共感し、出資させていただくことといたしました」と述べ、「世界に必要とされる企業へと成長されることを期待しております」とコメントしました。

(参考)Cellid


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