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VRシミュレーターがカリフォルニア高速鉄道プロジェクトの合意形成に貢献

California Experience は乗車体験や駅構内の VR シミュレーションの提供によるカリフォルニア高速鉄道への支持獲得を目的としている [提供: HNTB]

本記事は「Redshift 日本版」とのライセンス契約を結んだ転載記事であり、ブレイク・スノー氏の執筆した原稿を翻訳したものを、オートデスク株式会社の許諾を得てMogura VRに転載しています。

北米で意欲的な移動体プロジェクト、カリフォルニア高速鉄道 (CHSR) の建設が進められている。この巨大事業には、2008年に行われた投票で100億ドル (約1.1兆円) もの地方債が承認された。カリフォルニア州の南北をヨーロッパやアジアで採用されている最高時速350㎞の高速鉄道で結ぶことで、サンフランシスコーロサンゼルス間を3時間足らずで移動可能となる。

プロジェクトがこれほど複雑かつ遠大なもので、しかも現時点では市民が高速鉄道のメリットを享受していないという状況では、一般市民からの支持を長期間に渡って維持することは難しい。そんなときに活躍するのが VR だ。

百聞は一見にしかず


インフラのエキスパートである WSPHNTB、Neytive、オートデスクで構成されたスカンクワークス (独立型研究開発) チームは、一般市民の信頼と議会からの賛同を向上するにはテクノロジーの活用が最適だと認識している。このチームが非営利団体 US High-Speed Rail Association (米国高速鉄道協会) と連携し、2大都市を結ぶ高速鉄道の擬似乗車体験を行える、没入型360度シミュレーターを開発した。

VR の体験者は、ラウンジ エリアからコクピットまで、鉄道車両を内外から探訪できる [提供: HNTB]

HNTB のピーター・ガートラー上級副社長は「ヨーロッパやアジアの高速鉄道を利用したことのない方たちへ、その価値を伝えるキャンペーンを数年前に始めました」と述べる。「それが VR 体験へと発展しました」。

Neytive のオーナーで、California High-Speed Rail Authority (カリフォルニア州高速鉄道庁) のスポークスマンを務めるバート・ネイ氏は、「California Experience」と名付けたキャンペーンで2つのことを実現しようと考えたという。「それは CHSR の広報活動を支援する VR モデルを作ることと、その体験を高速鉄道の複雑なビジュアルと雰囲気を伝えるのに活用することです」。

つまり、実際の体験に限りなく近いシミュレーションを提供したいと考えたのだ。「時速350㎞ で走行する鉄道への乗車や、それ以外の乗客としての体験、構想中の高速鉄道駅の設備をシミュレートしたいと考えました」と、ガートラー氏。「VR は、初めての体験でセールスポイントを強く印象付けられる強力なツールです」。

4社のスペシャリストたちで構成されたチームが California Experience を共同で開発し、プロジェクトは2段階のバージョンでリリースされた。「オートデスクのチームが、サクラメント市にあるカリフォルニア州鉄道博物館を閉館後に訪ね、シーメンスの展示車両をスキャンした後、[Autodesk] Revit Live のデータを WSP に渡しました」と、ネイ氏。「我々はカリフォルニア州内の、ロケーションとして使える3Dパノラマ画像を幾つか選定。その後は HNTB がバトンを受け取り、第2段階で追加のモデリングやユーザーが体験可能な素晴らしい出来映えの駅を完成させて、この体験をアップグレードしています」。

ユーザーは VR により鉄道車両全体を内部、外部から体験でき、運転席に座ることも可能。超高速で移動する雰囲気を伝えるため、参加者は VR 環境によって、走行中の外の景色を車窓から眺めるよう導かれる。初期段階の VR の課題は、車内でじっと立ち止まったまま、時速350㎞ で進む感覚を生じさせることだった。「前景の画像に対して背景をゆっくり動かすラスタースクロールの技法で、車窓から眺める際の適切なタイミングをつかめました」と、ネイ氏は説明する。

メッセージの拡散


このVR体験は複数の業界イベントで、関係者数百名に公開された。今後はカリフォルニア州高速鉄道庁 California High-Speed Rail Authority の認可を得て、一般市民へ情報提供を行うツールとなる予定だ。

https://fast.wistia.net/embed/iframe/oa51rvotvi

「次のステップは、この体験をより洗練されたものにしてプログラムに組み込み、デリケートかつ厳しい議題が取り上げられるコミュニティミーティングで使えるようにすることです」と、ネイ氏。「それにより、コミュニティの人々は現時点での影響ではなく将来的に得られるメリットを、より良く理解できるようになります」。

この VR の公開は、一般市民からの支持を変化させるような役割を果たすだろうか?ネイ氏は、その答えはイエスだと言う。「投資が決断された当時に遡って、高速鉄道建設の明確な理由を思い出すことは簡単ではありません。しかも、現時点では鉄道は目に見えるものですらないのです。こうした手段を用いることで理解につながる体験が得られ、”ああ、そういうことか! じゃあ話の続きを聞こうか” ということになります」。

ガートラー氏も同意する。「最近の世論調査では、カリフォルニア州の有権者の大多数が CHSR を支持しています。さまざまな課題があり、かなり困難ではあるものの、現在建設中のプロジェクトは雇用創出の期待に応える結果が出ています」。

ネイ氏は、WSP や HNTB など競合する企業が提携することで生まれる、業界発展に向けたパワーを強調する。「大企業2社を連携させるのは、それなりの大型プロジェクトになります。インフラ面でのこうした動きは非常に遅れているので、企業各社の手を取って導くことで業界全体を動かす必要があり、まさにそれが試みられました」。

ガートラー氏によると、VR の成功は他の公共事業プロジェクトにも拡大しつつある。それは大規模プロジェクトへ早期に投資するメリットを納税者へ、より効果的に伝えられることになる。

オートデスクのソフトウェア開発マネージャーであるナイジェル・ピータースは「ますます多くの企業が“強力な誘因力となる何か”を待ち望んでおり、VR はプロジェクトの提案をレベルアップさせる、イノベーティブなテクノロジーになりつつあります」と付け加える。「プロジェクトのストーリーを、従来の手法よりずっと優れた形で語ることが可能です。ひとたび VR を体験した企業が、その後の全プロジェクトで使いたくなるという状況を、頻繁に目にするようになりました」。

参加者はバーチャルな駅で設備の体験が可能 [提供: HNTB]

出発進行!


カリフォルニア州高速鉄道プロジェクトは前進を続け、VR のメリットを立証しているとネイ氏は話す。「有権者が視覚的、空間的に理解する必要のあるプロジェクトで、その成果物が最終的にどのようなものになるかを伝えることのできる、最高のコミュニケーションツールだと思います」。

ただしガートラー氏は、VR 体験をより優れたものにするには、さらなるスケールアップが必要だと強調する。「現在のところ、1名の VR 体験に専任オペレーター1名が必要です。メッセージをしっかりと伝えるには、このテクノロジーが1度に1名だけでなく、市役所全体やその他の会合など、より大人数のグループでも使用できるようになる必要があります」。

だが、1人ずつでもゼロよりはずっといい。その点においては、VR の活用はインフラ プロジェクトのメリットを伝えたいと願う者にだけでなく、現在進行中のこのカリフォルニア州高速鉄道プロジェクトにとっても成功だと言えるだろう。


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