Home » 英軍、VR訓練プログラム導入のため開発会社と契約


軍事利用 2019.02.06

英軍、VR訓練プログラム導入のため開発会社と契約

英国陸軍が、VRを活用した兵士の訓練プログラムの導入を検討するためBohemia Interactive Simulations (以下、BiSim)と新たに契約を締結しました。今回の契約により、英国陸軍は100万ポンド(約1億4千万円)を契約金として支払い、BiSimは訓練プログラムの開発を行います。

BiSimとは

BiSimは、プラハに本拠を構えるゲームスタジオBohemia Interactive Studioから分社した企業です。軍・民間を対象とした訓練プログラムの開発を手がけています。同社は2002年、最初の訓練プログラム「VBS1」をリリースしました。その後「VBS」シリーズの開発は続けられ、2014年には、最新作の「VBS3」が発売されました。

2017年からVBS3を導入

英国陸軍は、2017年から兵士用の訓練プログラムとして「VBS3」を導入しています。今回「VBS3」から訓練プログラムの変更を検討する理由を、英国陸軍は「没入感の向上のため(※)」と説明しています。

(※:VBS3にも、基本的なVR機能は実装されている)

現実では再現困難な状況でトレーニング

今回の契約により開発される訓練プログラムは「Virtual Reality in Land Training(以下VRLT)」と命名されました。英国陸軍によると、同プログラムは「兵士たちに、現実の訓練場では再現が困難な、大規模かつ複雑な敵対的状況を体験させる」ことを、目標として開発が進められるとのことです。

VRLTは「VBS3」をベースとして開発されます。VRLTには「VBS3」よりも拡充されたVR機能が実装されます。カスタムアバター機能の拡充なども予定されています。アバター機能の拡充は、訓練に参加する兵士たちが、プログラム内でお互いの顔を認識可能にすることを目的として実装されます。

現在の契約はトライアル段階

今回、BiSimと英国陸軍間で締結された契約はトライアル契約です。英国陸軍は納品されたVRLTを審査し、本格的な導入の可否を決定します。VRLTの納品時期や審査の終了日などは公開されていません。同訓練プログラムで使用されるVRヘッドセットの機種も未公開です。

(参考)UploadVR

更新履歴:2019/02/06/20:00……記事中の「ARMA3をベースとしている」個所について誤りがあったため削除


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード