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その他VRヘッドセット 2024.03.25

世界最軽量なVRデバイス「Bigscreen Beyond」はオーディオストラップも超軽量だった【体験レビュー】

3月下旬、GDCのために渡米していた筆者は、1年ぶりにサンフランシスコのとあるマンションの一室を訪れていた。

Bigscreen Beyond

そう、そこは1年前に世界最軽量を謳(うた)う新型のVRヘッドセットを体験して大きな衝撃を受けた場所。VRスタートアップBigscreenが借りている部屋だ。

筆者が受けた衝撃はぜひ体験レビューとCEOインタビューの記事を参照していただきたい。

さて本題に移ろう。今回、再度Bigscreenのオフィスを訪れたのは、新しいある物を試すためだ。それは「オーディオストラップ」。

Bigscreen Beyondと同時に予約開始されたものの、いまだ出荷されていなかった周辺機器だ。ほぼ最終版が出来たとのことで世界最速で体験してきたのでその様子をお伝えしよう。

本体の重さとほぼ変わらないストラップ

まずはオーディオストラップの簡単な説明をしよう。VRヘッドセットには往々にして頭への固定のために、購入時についてくるものとは別のタイプのストラップが周辺機器として売られることがある。Meta Quest 3などは公式・非公式問わず多くのストラップが登場している。

そして、そのストラップにヘッドフォンのようなスピーカーが付属したものがオーディオストラップだ。VRヘッドセット自体にスピーカーが内蔵されていない機種の場合、ユーザーは別途イヤホンやヘッドホンを用意しなければならないし、装着の際の手間も増える。これを解消してくれるのがオーディオストラップだ。



製品外観

サイズは、スマホよりも小さいヘッドセット本体組み合わせてしまうと当然大きいが、Quest3のヘッドセットよりも小ぶりでコンパクトな印象だ

そして、びっくりするのは手に持った時のその軽さだ。とにかく軽い。特にQuest 3のがっしりとしたエリートストラップと比べるとかなり軽い。

実測したところオーディオストラップ自体は160g程度。 Bigscreen Beyond自体が127gで、そこにフェイスクッションを加えて150g程度(フェイスクッションの成型具合により変動)。つまり、オーディオストラップは本体とほぼ同じ重さだ。

装着は頭の後ろでトグルを回転させて締める方式で、他の VRヘッドセットとも同じ。自分だけのフェイスクッションが顔にピタッとつくところで止めたらいいので、装着感も良好だ。

総重量で300gを超えてくるため、127gの最軽量がもったいない気持ちもあるが、重心バランスが自然にとれるようで装着感は数値よりはかなり軽い。それに、これでもQuest3のエリートストラップ付きのものと比べたらかなり軽い。


(Bigscreen Beyond+オーディオストラップとMetra Quest 3+純正エリートストラップの比較、前から)


(Bigscreen Beyond+オーディオストラップとMetra Quest 3+純正エリートストラップの比較、上から)

没入感にこだわり、フィット感は調整可能

さて、このオーディオストラップ、特長は軽さだけではない。 Bigscreen Beyondの本体は小型・軽量に加えて、ソーシャルVRを快適に体験するためのマイクの音質にこだわっている。同じく「オーディオストラップはスピーカーにこだわった」(シャンカー氏)と言う。

ポイントは2つだ。「音質」と「エルゴノミクス」。音質は、解像感が高く上品な音質だという印象を受けたが、筆者の限界。詳細なレビューは別ライターによる記事を待ちたい。

エルゴノミクスに関しては、耳にフィットさせるための機構が各種備わっている。「しっかりフィットすることが没入感には重要」とのこと。上下移動に加えて、イヤーマフは自由に動かせるようになっており、耳に自然に乗ってくる。

さらにイヤーマフのそばのトグルを回すと耳へのフィット感を調整可能だ。圧を強くしてしっかり耳にフィットさせても良いし、かなり緩めてオフイヤーに近い形にもできる。

没入感にこだわっているので「ノイズキャンセリングを導入しないのか?」と聞いてみたが、価格とのバランスが重要で見送ったとのこと。それでも、約90%の音は遮断できているそうだ。さらなる遮音を求める人は「もっと高性能なヘッドホンを使ってほしい」という。スピーカーは上に跳ね上がるようになっているため、オーディオストラップをつけたまま他のヘッドホンでも使えてしまう機構だ。

筆者が体験したオーディオストラップはほぼ最終版とのこと。テストユーザーの反応は良好で「近々出荷を開始する」という。

確かに総重量という観点ではBigscreen Beyondの良さを多少打ち消すが、依然として軽い総重量と重心バランスでの軽い体感。そして、ヘッドセットをつけてからヘッドホンをつけ、ヘッドホンを外してからヘッドセットをつけるというちょっとしたようで大きな手間の省略は圧倒的にVR体験自体を快適にする。

今後体験できる機会も増えると思われるが、軽いながらパワフルな周辺機器だ。


(余談だが、外箱もさすがにBigscreen Beyond本体(左)よりもオーディオストラップ(右)のほうが一回り大きい)

Bigscreen Beyond公式サイト:https://store.bigscreenvr.com/ja-jp/products/bigscreen-beyond


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