ドイツの高級車ブランドであるメルセデス・ベンツは、自社のトレーニング・センターに100台以上のマイクロソフト製MRデバイス「HoloLens」を導入しました。
HoloLensを使い、従業員へ修理技術や製品知識を効果的に教えます。また今回の取り組みを通して、最新技術の習得に遅すぎることはないというメッセージを発信しています。
HoloLensでトレーニングを効率化
ベンツのグローバル・トレーニング・センターでは、サービスマンに最新の修理技術を教えたり、セールスマンに新車種の特徴を理解させる従業員教育を行っています。HoloLensを導入することで、このトレーニングをより速く、効果的に行えるだけでなく、必要なコストも削減可能ということです。
参加者はデバイスを装着し、車やその内部の3Dモデルを確認します。トランスミッションの複雑な構造や、ブレーキアッセンブリーなども、詳細に見られます。
最新技術に年齢は関係ない
また今回のMRデバイス活用の狙いの1つは、最新技術の習得に遅すぎることはない、と人々に認識させることです。導入を主導した1人、Walter Bauch氏は、2年前までスマートフォンを使ったこともありませんでした。
51歳のBauch氏は、「人々は、2年前までスマートフォンを使ったこともない私が、仕事でHoloLensを活用していると聞いて驚きます。しかしこれが、私達の伝えたいメッセージです。つまり、ユーザーの年齢は関係ない、ということです。最新デバイスは全ての年齢の人のためにあります。我々のトレーニングの、最高齢の参加者は89歳です。(中略)彼が『若いときにこの技術を知っていれば!』と言ったことが忘れられません。」
トレーニングへの熱意が高まる
同社のトレーニング・センターは、120カ国、150地域に広がり、800人のトレーナーがマネジメント、製品知識、セールスといった教育を提供しています。Bauch氏らによれば、HoloLensはまたたく間に浸透しているとのこと。MR技術の導入により、従業員のトレーニングへの熱意も上がり、参加意欲が高まったということです。
HoloLensの導入に携わったRalf Krieger氏は、「あるセールスマンは、HoloLensがあればショールームに必要な車は1台だけだと言います」「彼はHoloLensを使って顧客が車を見て、他のモデルが欲しければMRでそれを確認する、という活用方法を描いています」と話しました。
ベンツはこれまで、高級車種の取扱説明書をARアプリ化する取り組みを行うなど、技術活用を進めています。また他の自動車メーカーでも、設計、トレーニング、販売などの各分野でVR/AR/MR技術の導入が進んでいます。
(参考)VRFocus
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