車を購入すると必ず付属する取扱説明書。正直なところ、この分厚い冊子を読む人はどれくらいいるでしょうか。多くの人は購入直後にざっと目を通すと、ダッシュボードの下にしまい込んで忘れてしまうでしょう。マニュアルには車の機能に関する情報が満載されていますが、確かにあまり面白い読み物ではありません。
この状況についてドイツの高級車ブランドであるメルセデス・ベンツは、オーナーがもっと自分の車のことを知り、あらゆる側面を楽しんでほしいと考えました。そこで考案したのが、ARアプリ「Ask Mercedes」です。スマートフォンを使って、手軽に楽しく、車のことを理解できます。
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ARで車について楽しく知る
対応する車種は、2018年に発売されたメルセデス・ベンツのEクラスまたSクラスのモデルです。「Ask Mercedes」をApp Storeでダウンロードし、「Explore My Features」を選択。車内でスマートフォンをかざすとカメラが車内をスキャン、画面上にアイコンが出現します。ユーザーは好きなアイコンをタップして、その個所に関するマニュアルビデオを見たり、説明を読んだりすることができます。
「車内でスマートフォンを充電するには?」といった質問に、アプリ内のバーチャルアシスタントが答える機能もあります。
https://www.youtube.com/watch?v=YKSYWrXsLyE
このアプリが実現しているのは、“車について、手軽に知ること”だけではありません。アプリがなければつまらないものだった“マニュアルを読む”という体験が、革新的でわくわくするものになるのです。
メルセデス・ベンツ車のセールス部門はプレスリリースで、「車自体だけでは体験できないような、お客様それぞれの特別な体験を届けます。『Ask Mercedes』のような先端のサービスで、我々のデジタルエコシステムを拡大していきます」と述べています。
紙の使用量削減にも
冊子を紙のマニュアルからARアプリに変更することによって、企業は紙の使用量を削減することもできます。例えば2017年、メルセデス・ベンツの世界での販売台数はおよそ250万台。マニュアルのために、膨大な量の紙が使われています。
アプリは現在iOS向けに無料で公開されており、Android版も近いうちにリリース予定となっています。メルセデス・ベンツの最終目標は、全ての冊子のマニュアルをARアプリに置き換えることです。
(参考) VRScout
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