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作業補助・ナビゲーション 2017.09.26

フォード、自動車設計へのMR活用を拡大へ 成果に手応え

自動車メーカーのフォードは、一年ほど前からMRデバイスHoloLensを用いた設計手法の小規模なテストを行ってきました。同社は前向きな成果が上がったとしてテストを拡大する方針を発表しています。

現実に車を表示しながらデザインを検討

HoloLensはマイクロソフトが開発したシースルー型のMRデバイスです。現実世界に3DCGや情報などをぴったりと重ね合わせることができます。

フォードは今までに、設計中の3Dモデルを現実空間に表示する、といった方法でMRデバイスHoloLensを活用してきました。HoloLensを利用することでデザインとエンジニアリングのプロセスを短縮し、デザインの提案をより掘り下げることができるようになったとのこと。

たとえば今までサイドミラーによる視界の見え方を確認するには数日~数週間かかっていましたが、HoloLensの導入によって数分~数秒までに短縮されました。

フォードはこれに加えて新たに、表示した車体の一部分を変更したり、音声録音を用いて車のガイド付きツアーを行ったりといったプロセスを導入。以下の動画では、こうしたHoloLensの利用がどのように行われているかを紹介しています。

同社はまた、AR(拡張現実)を用いたより良い共同作業のためのアプリケーションも開発しているとのことです。

モニターではできない分析が可能に

フォードの自動車部品・システムエンジニアリング担当副社長ジム・ホランド氏は、ブログ記事で次のように述べています。

「HoloLensを用いてデジタルによる製作物を現実的なスケールで観察し、より速く、効果的に分析することが可能になりました。どの方向からも車両のホログラムを見ることは、コンピューターのモニターではできなかったことです」

フォードはレーサーの視点でカーレースを楽しめるコンテンツ『Ford VR』を制作するなど、VR/AR技術に力を入れている企業の一つです。同社でのAR技術の活用例は、ARが業界に与える影響を示した良い例となるでしょう。

(参考)
After Successful Pilot Testing Ford Is Expanding Its HoloLens Program / UploadVR(英語)
https://uploadvr.com/successful-pilot-testing-ford-expanding-hololens-program/


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