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AR/MR 2018.07.05

グーグル、ARCore対応端末を更新し全46機種に iPhoneにも

グーグルのARプラットフォーム「ARCore」に対応するデバイスリストが更新されました。46のAndroid機器のほか、アップルのARプラットフォーム・ARKitに対応するiPhoneとiPadも対象になっています。

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iPhoneへの対応というサプライズ

最新のリストはグーグルの開発者向けウェブサイトで公開されています。直近の更新ではNokia 6.1 Plus、シャオミのMi Mix 2Sといった機種が新たに追加されました。

今回驚くべき点は、対応端末にiOSのAR機能ARKitが使えるiPhoneとiPadが追加されたことです。ただしiOSのデバイスで利用可能な機能は、複数のユーザーが同じAR空間にアクセス・共有できる「Cloud Anchors」のみとなっています。この機能を利用し、AndroidスマートフォンユーザーとiPhoneユーザーが、一緒にお絵かきアプリ「Just a Line」を楽しむ動画も公開されています。

AndroidのネックはOSのアップデート遅れ

2018年2月にARCoreがリリースされた時、対応デバイスは一部のAndroidスマートフォンに限られ、わずか13機種でした。グーグルはここから開発を重ね、モバイルARをAndroidスマートフォンの多くの機種にもたらしてきました。

しかしいまだに、ARCoreリリース時に対応を予定していたZTEとVivoのデバイスは対象機種リストに入っていません。またEssential、HTC、Blackberryなどの記載も見当たりません。

このようなデバイス間の分断は、長らくグーグルの悩みの種となっているようです。新しいOSへのアップデートが遅れれば、新機能の採用も遅れてしまいがちです。ARCoreも例外ではありません。ARCoreはAndroid7.0以降に対応していますが、現在Android7.0以降にアップデートされているのはAndroidデバイス全体の36.8%に留まっているとされています。

グーグルはARでアップルに先行できるか?

アップルのARKitの機能追加がソフトウェアのアップデートと同時に行われるのに対し(最新のARKit2.0は、今秋リリースのiOS12に搭載予定です)、グーグルはARCoreの更新をOSのアップデートとは別に進めています。このため、グーグルはより速くAR機能のアップデートを行うことが可能です。

今回グーグルのCloud AnchorがiPhoneへ対応したことにより、プラットフォームをまたいで、複数のユーザーが同じAR空間にアクセスできるようになります。グーグルがARKit 2.0のリリースに先駆けてこれを行ったことは、開発者からも歓迎されるでしょう。AR機能についての2社の開発競争はまだ続きそうです。

(参考)Next Reality


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