2018年12月にイランの首都テヘランで、AR(拡張現実)を活用したファッションショーが開かれました。本ファッションショーの特徴は、モデルがキャットウォークを歩かず、服だけがキャットウォークを歩いているように見えるというものでした。
このファッションショーは、イラン初のファッション&アートマガジンが協賛のもと、制作されました。ARショーでは、見えないモデル達が、ランウェイを行き来します。なお、このショーは、VR Vision portalとよばれる設備で体験することが可能で、ランウェイを真正面から見ることができるようになっています。
ARでモデル起用の制限を解決
VR Vision portalを提供したのは、企業や事業向けにVR技術を提供するテック企業VR Vision。ショーで活用されたAR技術は、海外の匿名企業が開発したとのことです。
ファッションショーのディレクターであるVida Jannesar氏は、このARファッションショーについて海外メディアRT Playで次のように語っています。
私たちには、モデルをファッションショーに起用することに制限があります。この問題に対して、企業と協力し解決策を見出し、今回のバーチャルキャットウォークを成功させることができました。ARというかたちで、ファッションショーを開催していますが、本当のモデルが歩いているように見えます。ただ、実際にモデルがいるわけではないので、モデルに対する制限については問題がなくなるのです。
今回のファッションイベントでは、イランのファッション業界に対してポジティブな影響を与えることに加え、イラン国内でデザイナー達が女性向けファッションを展示しやすくするという面があります。しかし、より一層強い女性への抑圧となるのではないかとの懸念もあげられています。
ファッションショー業界でAR活用が広がる
ARを活用したファッションショーでは、ファストファッションブランドのH&M;が、Magic Leapを使ったARイベントを開催しています。今後もファッション業界でのARの活用に期待したいところです。
(参考)VRScout
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