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開発 2023.06.21

Appleのデザインチームが語る「空間デザイン原則」とは? 開発者向けページに解説動画多数

Appleは、開発者向けに「空間コンピューティング」を解説する動画を公開しています。空間コンピューティングデバイス「Vision Pro」のリリースを見越し、開発者向けのリファレンス充実を図ります。

(出所:Apple)

「空間コンピューティング」開発者向けの知見を公開

Appleは年次開発者会議「WWDC23」で行われた、空間コンピューティングに関するセッション動画を公開しました。「Apple Developer」の当該ページにおいて、検索バーで「Spatial」と入力すると関連動画を絞り込めます(※「visionOS」とは検索結果が異なるため注意)。

10カテゴリに分かれた動画は、「接しやすい空間体験のつくり方(Create accessible spatial experiences)」等の題名で、空間コンピューティングの原則論から開発ノウハウ、ツール解説まで、34本あります(06/21時点)。カテゴリは以下のように分かれています。

・包摂(Accessibility & Inclusion)
・アプリサービス(App Services)
・アプリストア配信とマーケティング(App Store Distribution & Marketing)
・音響と映像(Audio & Video)
・仕事と教育(Business & Education)
・デザイン(Design)
・開発ツール(Developer Tool)
・エッセンシャル(Essential)
・画像とゲーム(Graphic & Games)
・空間コンピューティング(Spatial Computing)

たとえば、Apple Design Teamによる「空間入力デザイン(Design for Spatial input)」は、Vision Proの視線と手を用いた操作設計にあたって考慮したデザインルールを語ります。

2人は、3D空間におけるユーザー入力は「私的で・心地よい」ものであるべきで、バーチャルキーボードは(用意しているが)疲れるとしたうえで、「くつろげる(Comfortable)」「使いやすい(Easy to use)」「応答的な(Responsive)「意図された(Intentional)」といった原則から、次のような考え方を紹介しました。

・複数のパーツはZ軸方向に重ね、メイン画面の視野(point of view)を妨げないようにすること
・もっとも小さな目標物(target area)でも、少なくとも60pt以上とし、中心要素は44pt、左右の余白は8ptとすること
・日常生活で対象のオブジェクトに対して慣れ親しんだ身ぶりにすること。たとえば「つまむ」「こする」「切る」など。

このほか、「SwiftUIを空間コンピューティングに対応させる」「ARkitを空間コンピューティングに対応させる」「イマーシブなUnityアプリの作り方」など、エンジニア向けの解説動画も多数存在します。

2024年発売予定のVision Pro普及に向けて、開発者・クリエイターやプロシューマー向けに積極的な情報発信を行うApple。他の主要ハードウェアメーカーのロードマップやPR戦略にも影響を与えるとみられます。

(参考)Apple


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