愛知県警察は、高齢者向けにVRで交通事故の疑似体験ができる講習会を実施しています。VRを用いることで「高齢者の視覚に訴え、交通安全意識の向上を図ることを目的」としています。
(2019年2月22日に豊田市益富交流館にて行われた講習会の様子)
高齢者の事故防止対策としてVRを活用
2018年(平成30年)中の愛知県内における交通事故死者数は189人。前年と比べて11人減少したものの、年齢別死者数では半数以上の103人を高齢者が占めており、高齢者の事故対策が課題となっています。
愛知県警では、益富地区の高齢者クラブに対して毎年交通安全講習会を実施しており、今回はVRシミュレーターを利用した講習会を実施。こちらのVRシミュレーターは、2018年11月に警察本部において導入されたもので、「観察能力や危険予測能力の向上を図ることにより事故防止につなげる」ものです。
運転手視点で事故を体験して安全意識を向上
今回利用されたVRシミュレーターは、日常生活の中で比較的多発する4種類の事故を収録。「直線道路における信号機のない横断歩道での事故」や「見通しの悪い交差点における出合頭事故」「信号交差点における右折時の事故」そして、「ながらスマホ運転による事故」といった事故を運転手の視点で体験することができるものです。
実際にVR体験をした体験者からは「自分が大丈夫だと思っても、再度よく確認しないと事故に遭ってしまうので、よく確認しようと思いました(60代女性)」「今まではあまり気にしなかったが、たまたま事故を起こしていない、事故に遭っていないだけだった。 ぞっとします。(70代男性)」といった声が上がったとのことです。
今回のVRシミュレーターは2018年11月の導入以降、警察署におけるイベントや講話などで利用されており、体験者の反応も良好とのこと。愛知県警は、「今後は増台による貸出体制の強化やコンテンツの追加等を検討したいと考えております」とコメントしました。