韓国のソウル特別市は、「メタバース・プラットフォーム」を韓国の自治体として初めて構築し、行政に活用することで新概念の公共サービスの提供を開始します。来年末までに高性能プラットフォームである「メタバース・ソウル(仮称)」を構築、複数の段階に分けて経済や文化、観光、教育、そして市民サービスなどの行政サービスを提供する予定です。
「メタバース・ソウル」で公共サービスが便利に。観光にも
ソウル特別市は、2021年末に行われる「普信閣鐘楼」のバーチャル鐘つきイベントを皮切りに、バーチャル市長室やソウル・フィンテック・ラボ、インベスト・ソウル、ソウル・キャンパスタウンなど、さまざまなビジネス支援施設やサービスをメタバース上で順次提供していきます。
さらに2023年には、バーチャル公共サービスセンターとして「メタバース120センター(仮称)」を開設予定。公務員がアバターで対応し、これまでソウル市庁の公務員センターでしか受けられなかったサービスを遠隔から利用できるようになります。また、XRを活用した障がい者向けの安全・便利コンテンツなど、社会的弱者向けのサービスの展開も予定しています。
また「バーチャル観光ゾーン」では光化門広場、徳寿宮、南大門市場などのソウルの主要な観光スポットを紹介し、敦義門などの失われた歴史的資源をバーチャル空間で再現します。また、2023年からは、「ソウルランタンフェスティバル」などのソウルを代表するお祭りをメタバースで開催し、世界中のすべての人が楽しめるようにします。
韓国は以前より官民一体でのメタバース構築を進めており、2021年5月には同国最大手の自動車メーカーであるヒュンダイ、通信事業者のSKテレコム等がメタバース構築アライアンスに参加しています。
(参考)ソウル特別市