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業界動向 2021.10.01

ホンダ、VRヘッドセットを使って遠隔操作するアバターロボットを開発

2021年9月30日、株式会社本田技術研究所(ホンダ)は、新領域への取り組みを発表しました。同社はその中で、バーチャルな移動を可能にする「Hondaアバターロボット」の開発を発表。2030年代の実用化を視野に2023年度中の技術実証開始を目指すとしています。

独自技術で人並みの動きを実現

ホンダは、ASIMOをはじめとするロボティクス研究に継続的に取り組んでいます。同社は、次世代に向けて、時間や空間の制約に縛られずバーチャルに自己能力を拡張する「Hondaアバターロボット」の実用化に向けた開発を進めているとのこと。

同社によれば、多指ハンドにおいて長年の課題であった「小さなものをつまむなどの繊細さ」と、「固い蓋を開けるなどの力強さを「人並みに」両立できる手」を実現。多指ハンドが物をスムーズに把持したり、細やかな力の制御で道具を操ったりできるように独自のAIサポート遠隔操縦機能の進化にも取り組んでいるとのこと。

ホンダは、「人の分身となるアバターロボットの最大のメリットは、リモートでありながら、あたかもその場にいるようにモノを扱えるなど、自身がその場にいなくても作業や体験ができること。今後は、ハードウェアの小型化とともに「把持する」「操る」といった動作のさらなる精度の向上に取り組んでいく」とコメントしています。

拡がるアバターロボットの社会実装

近年、アバターロボットの社会実装が進んでいます。国内の取組としては、先駆けとして、株式会社オリィ研究所の分身ロボット「OriHime」が、2014年から難病患者宅や教育現場などで実用化。2018年には、ALSなどの重度障害者が自宅や病院からアバターロボットを操作しカフェで働く接客実験「分身ロボットカフェDAWN ver.β」を実施、2021年6月には東京・日本橋に常設実験店をオープンしています。

また、ANAホールディングス株式会社は、2019年に瞬間移動プラットフォーム「avatar-in(アバターイン)」を発表。アバターロボット「newme」を使ったバーチャル移動サービスのβ版を今秋提供予定としています。

(参考)ニュースリリース


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