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ゲーム・アプリ 2020.12.29

2020年、遊んで良かったVRゲームはこれだ! 厳選6作品ピックアップ

2020年もさまざまなVRゲームがリリースされました。年を追うごとに勢いを増しているVRジャンルですが、10月に発売されたVRヘッドセットOculus Quest 2の影響もあり、特にここ数ヶ月は活気づいている印象です。

そこで、今年面白かったVRゲームを、筆者(井文)の主観でピックアップ。「これは!」と思った作品を紹介していきます。

衝撃の大作「Half-Life: Alyx」

「2020年を代表するVRタイトルを選べ!」と言われれば、やはり「Half-Life: Alyx」になるでしょう。

本作はFPSを代表する「Half-Life」シリーズの最新作。「Half-Life 2」シリーズのヒロイン兼相棒のアリックスが主人公で、本編の前日談が展開されます(日本語対応済み)。「Half-Life 2: Episode Two」の発売以降、10年以上音沙汰がなく、シリーズは“死んだ”と思っていたファンの1人としては、開発発表には大きな衝撃を受けたものです。

PC向けVRヘッドセット向けの作品だけあって、グラフィックは超一級品。昔「Half-Life 2」をプレイした際も「Source Engine」で描かれたビジュアルの壮麗さに驚きましたが、それよりも数段進んだ描写が、VRで眼前に広がりました。

初プレイ時には、ゲーム開始から数分間、物語の舞台となる「City 17」の風景をウットリ眺めてしまいました…。

ゲームプレイ自体も(Valveらしく)非常に練られた出来。過去作と比べるとゲームスピードは遅めですが、VR向けに最適化された結果と感じます。

UIも洗練(グローブに表示されるライフなど)されており、これまでに遊んだVRゲームと比較しても、非常にストレスフリーに操作ができました。

ゲーム界隈では、「DOOM」や「ダークソウル」シリーズなど、後発の作品のゲームのシステムに多大な影響を与える作品が時折現れますが、「Half-Life: Alyx」も、そういった部類に含まれると思います。今後、本作のアイデアを上手く取り込んだ作品が続々と登場してくるのではないでしょうか。

(「The Game Awards 2020」では、「BEST VR/AR」を受賞。)

(葛西祝さんのレビュー記事)

ダウンロード:Steam(税込6,290円)

予想外の面白さ「Star Wars:スコードロン」

軽い気持ちでプレイを始めたところ、いい意味で驚かされたのが本作「Star Wars:スコードロン」でした。

「スター・ウォーズ」原作で、劇中に登場する戦闘機(X-ウィングなど)に乗って戦う、フライトコンバットゲームです。PCとPlayStation 4で発売されており、非VRでもプレイできます。筆者は未プレイですが、最大5vs5のマルチプレイヤーモードもあります。

時系列は、エピソード6とエピソード7の合間で、帝国軍と新共和国軍(同盟軍)の2つの視点を交互に行き来しながら展開。プレイヤーはそれぞれの航空部隊の一員として戦います。

よくある帝国=絶対悪という図式ではないのが嬉しいところ(悪どいことは変わらないのですが)。両陣営共に部隊の仲間は個性豊かで、シリーズの登場人物もカメオで出てきます。

当初は「それなりに楽しめればいいな」ぐらいの感覚だったのですが、Oculus Quest 2(Oculus Link使用)を被って起動してみると、眼前に広がったのは完璧な「スター・ウォーズ」の世界。

1人称視点で、コックピットに乗り込み(TIEファイターの視界不良っぷりも完全再現!)、宇宙での激戦の狭間を飛び回っている時間は、本当に、映画の中に飛び込んだ感覚でした。シリーズのファンとしては感無量です。

発売後は戦闘機やマップを追加するアップデート(無料)もありました。アップデートが今後どこまで続くかは不明ですが、このゲームの成長を見守っていきたいところです。

ダウンロード:Steam(税込4,300円)、PS Store(税込4,300円)

カヤック×ミリタリー「Phantom: Covert Ops」

Phantom: Covert Ops」は、移動方法のユニークさが目を引く作品です。主人公は特殊部隊の一員で、敵基地に“カヤックに乗って”潜入します。

多くのVRFPSは、現実のプレイヤーが直立不動でプレイしていても、ゲーム側のキャラクターが自分の足で歩行するシステムとなっています。一方「Phantom: Covert Ops」では、ハンドコントローラーをオールのように使ってカヤックを(プレイヤーも)着座の状態で操作します。

VR酔いについては中々評価が難しいです。以前Rift Sで遊んだ際にはそれなりに酔いを感じましたが、今回Oculus Quest 2とOculus Linkを使用して軽く再プレイしたところ、あまり酔わずに遊べました。体調などが影響しやすい作品なのかもしれません。

カヤックには、ハンドガンやスナイパーライフルなどの武器が備え付けられており、状況によっては“強硬手段”も執行しなくてはなりません。スコアシステムやおまけ要素などやりこみ要素も充実しています。

グラフィックは美しく、光の描写も見事(筆者はRift版をプレイ)。潜入ゲーのため夜間のステージが多いのは評価が分かれるかもしれません。王道ミリタリー物にヒネリを加えた、一風変わったFPSを遊びたい人にオススメの作品です。

ダウンロード:Oculus Store(税込2,990円(Rift/Quest))

良質パズルアドベンチャー「ダウン・ザ・ラビットホール」

2020年、筆者が遊んだ数少ないVRパズルのひとつが「ダウン・ザ・ラビットホール」。「不思議の国のアリス」が下敷きになっている作品で、白うさぎなど、原作のキャラクターも登場します。

俯瞰してステージ眺める“神の視点”で主に操作するのが特長。アクション系のVRゲームと比べて激しい操作が必要ないのがうれしい作りです。VR酔いの程度はFPS系よりも快適でした。

お話重視の作品なので、ネタバレしないように解説するのが難しいのですが、不思議の国の住人たちのズレた態度と珍妙さは必見。最初から最後まで物語に華を添えてくれる主人公の少女(アリスではないです)は、いいキャラをしています。

ベース作品が作品なだけあって、過激な演出などもなく、のんびりとした気分で遊ぶにはは最適のタイトル。現在は日本語対応も完了しているので、快適にストーリーを楽しめると思います。

ダウンロード:Steam(税込2,050円)、Oculus Store(税込1,990円(Rift/Quest)、
VIVEPORT(税込2,171円)

VRバトロワ流行のキッカケ?「ポピュレーション:ワン」

これまでにも数作、バトルロイヤル形式のVRFPSがリリースされてきましたが、2020年10月に発売された「ポピュレーション:ワン」は、その中でも特に注目されている作品ではないでしょうか。

話題となった理由は複数ありますが、「Oculus Quest 2」のローンチタイトル(厳密には発売から10日後にリリース)だったことが大きいでしょう。ゲームとしては通常のバトロワゲーをVRに落とし込んだような仕上がりで、3人でチームを組んで他のプレイヤーと戦います(最大18人でマッチング)。

マルチプレイヤー作品なので、フレンドがいない場合は野良チームに飛び込む必要があり、そのあたりは、ややハードル高め。またマッチングには、言語や地域のフィルタリングがない模様で、複数の言語がVCで飛び交うことも日常茶飯事です。

よく言えばドタバタ感を楽しめる、悪く言えばカオスすぎるといった感じですが、そういった大味なタイプのゲームを楽しめる人にはオススメできます。

バトロワゲーは現在のゲームシーンで飛びぬけて人気を有するジャンル。上手く“呼び込み”ができれば、VRにとっての大きな起爆剤にもなるかもしれません。

ダウンロード:Steam(税込3,090円)、Oculus Store(税込2,990円(Rift/Quest),

和VRゲームの前衛「ALTDEUS: Beyond Chronos」(アルトデウス:BC)

“VR元年”以降、日本国内でも、様々な企業がVRゲームの制作に挑んできました。「東京クロノス」シリーズを製作するMyDearestは、その中でも特に“気合”が入っていると、筆者が常々感じているデベロッパーです。

そんな彼らが2020年12月にリリースしたシリーズ最新作「ALTDEUS: Beyond Chronos」(アルトデウス:BC)は、前作をしのぐスケールの物語が展開される、“続編らしい続編”です。

物語の舞台は2280年。超巨大生物”メテオラ”によって地上は壊滅。地下都市で人々の営みが行われているという世界が舞台です。プレイヤーは、主人公「クロエ」となって、物語の世界に入り込みます。

ゲームをプレイすると、開発サイドが「東京クロノス」から得たフィードバックを、本作にしっかり反映しているのが分かります。同作で多くのプレイヤーを引き込んだOPまでの没入・疾走感も健在です。

インタラクティブ要素も増加しており、前作が“ノベルゲームをVRに落とし込んだ”作品だとすれば、今作は真なる意味で「VRゲームとして開花を果たした」タイトルと言えるのではないでしょうか。

(ノンジャンル人生さんの先行体験記事)

ダウンロード:Oculus Store(税込3,990円(Rift/Quest))

執筆:井文


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