NASA開発者、MRデバイス「HoloLens」を選ぶ際にアップル製のデバイスも試したことを明かす

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10月23日に開催された「HACK THE FUTURE」では、AR&VRをテーマにした複数のセッションが行われました。そのセッションの1つである『NASAが選んだHoloLends VR最先端を走るNASAがHoloLendsの可能性を語る』内では、NASA Jet Propulsion Laboratory(以下、NASA)のシニアテクニカルリードを務めるヴィクター・リュオ氏が、マイクロソフト社が開発するMRデバイス「HoloLens」をNASAが採用した理由について語りました。なお、採用に当たってNASAが選定したデバイスの中には、アップル社製のデバイスもあったことも明かされました。

HoloLensの誰でも使える操作性を評価

すでにNASAは、HoloLens向けのアプリケーションとして『Protospace』と『OnSight』の2つを開発しています。

『Protospace』はCADデータを活用して、MRで火星探索機などの設計のシミュレーションをすることができます。モデルのサイズを自由に変更できるので、探索機のモデルを小さくして机の上に表示しチームで確認しながらディスカッションしたり、大きくした探索機を下から覗き込んで内部構造を確認することができます。

https://www.youtube.com/watch?v=vynaDaQLvYg

『OnSight』は、火星探索をバーチャル体験できるというもの。実際の火星探査機の映像を使用しています。リュオ氏は、「これまでに宇宙探索できたのは宇宙飛行士がほとんどだったが、VRやAR技術を使用すれば、科学者や開発者も火星などを探索することができる」と語りました。特に科学者にとっては、従来の2Dのモニターで見る映像ではなく、実際に見える景色を見ながら探索した方が好ましいとのこと。また、火星よりも遠い惑星を探索するには、無人探索機で撮影した映像を使ったバーチャル探索が現実的だと話しました。

https://www.youtube.com/watch?v=wPOCcG33mJQ

NASAがHoloLensを採用した理由としては、現実の世界の視覚情報を利用するMR技術の方が、科学者(※編集注:地質学者といったテクノロジーに慣れていない人も含む)でも使いやすい点や、ワイヤレスで動きやすい点、トラッキング機能を有している点などを挙げました。なお、NASAはHoloLensの他にもPlayStation VRや開発者版を含めたOculus Rift、HTC Viveも活用しています。そして今後は入力インターフェイスや触覚の分野が課題になってくるだろうとしました。

アップル社製のデバイスの詳細はノーコメント。ただし使用できるレベル

さらに、リュオ氏はHoloLensを採用するに当たって、他の様々なメーカーのデバイスも試したことを語りました。その中には市場に出ていないデバイスも含まれており、アップル社が開発したデバイスもあったことを明かしました。

アップル社も、同社CEOのティム・クック氏がARに関して興味を抱いていることを公表していたり、VR/AR開発者を雇用していることや、スマホを利用するタイプのデバイスの特許を申請していることで知られています。

イベント終了後、リュオ氏に尋ねてみたところ、アップル社が開発したデバイスの具体的な特徴や性能については一切話せないとの回答でした。ただし、実際にデバイスとして使用できるものであったということが明かされました。

NASAが試したアップル社製のデバイスは、HoloLensのようにAR/MRデバイスなのか、それともOculus RiftやHTC ViveのようなVRデバイスなのか、そしてスマホとPCのどちらを使うのか(それともスタンドアロン型で独立したタイプなのか)については、現在のところ不明です。また、NASAがアップル社製のデバイスを不採用にしたのかどうかも、アップル社がデバイスを市場に投入する計画があるのかどうか全てが不明です。

いずれにせよ、NASAはアップル社の開発したデバイスを実際に試したことがあり、アップル社もNASAに開発したデバイスを提案していたとのことです。日本を含め、VR/ARの参入動向が大きな影響力を持つアップル社の今後の動向に注目したいところです。

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