マイクロソフト提供Acer製のMRヘッドセットの実力はいかに?海外の意見を紹介

4月27日、ニューヨークでWindows Mixed Realityに対応するAcer製のVRヘッドセットが関係者向けに公表されました。体験時のトラッキングやディスプレイの表示品質、着け心地などについては好意的な意見が多く、ピックアップして紹介します。

Acer製VRヘッドセットとは

マイクロソフトは、VRやARといった概念を統合する上位概念として、現実とバーチャルな世界が混在するMR(Mixed Reality)を提唱しています。MRを実現するためのフレームワークは「Windows Mixed Reality」と呼ばれ、現在はシースルー型のMRデバイスであるHoloLensに採用されています。

今回紹介しているAcerのヘッドセットは、現実空間にバーチャルな3DCGを被せるシースルー型ではなくOculus RiftやHTC Viveなどと同様に。境界線など現実を認識しつつバーチャルなVR体験が可能なVRヘッドセットとなります。

以下は、UploadVR、tom’s hardwareの2メディアの体験レポートからの抜粋となります。

デモ体験時のトラッキング

ヘッドセットを被り体験する際は、最初に部屋の環境を認識してトラッキングを行うためキャリブレーションを行います。キャリブレーションには、ヘッドセットの前面にある2つのカメラを使用します。

キャリブレーションは何回か試す必要がありましたが、一度キャリブレーションが完了すると、体験中は安定してトラッキングしていました。今回のデモでは、前後左右に約1.2m動いたり、飛び回ったり床に寝てみたりしましたが、それでも安定してトラッキングできていました。また、Riftなどと同様に体験エリアを知らせるシステムを備えており、体験エリアから外れそうになると、グリッド状の壁が現れて体験者に体験エリアに戻るように促します。(Upload VR)

ディスプレイ

VRヘッドマウントディスプレイで最も気になる点は「見え方」です。Acerのヘッドセットは片眼1440×1440ピクセルのディスプレイを2枚搭載しています。

とてもシャープな映像を体験でき、画面に格子が見えてしまうスクリーンドア効果もほとんど気になりません。フレネルレンズ特有の円周状のラインはHTC Viveと同様に現れますが、HTC Viveよりも目立ちませんでした。また、黒背景で白文字を表示したときに発生する光のライン(ゴッドレイ)はOculus Riftと同じように見えます。今回のデモは、RiftやViveと同じ90fpsで動いていましたが、それらと比べると動き回るシーンではわずかにぼけているように感じました。ただ、それほど目立つ物ではありません。(Upload VR)

インターフェース



WindowsのVR向けユーザーインターフェース(UI)はとても印象的です。異なる壁にデスクトップ画面を表示でき、それぞれ異なるアプリが動作していました。アプリの操作にはXboxコントローラを使い、Edgeインターネットブラウザとビデオプレイヤーはスムーズに動作していました。これらのUIはRiftやViveのシンプルなUIと異なるのが対照的でした。(Upload VR)

HoloLensでは自分の部屋の壁などにウィンドウを配置できましたが、AcerのヘッドセットではVR空間に同様のことができるようです。

エルゴノミクス

ケーブルを含まないヘッドセット本体のみで360gと軽く装着感は良好でした。鼻の周りは柔らかいフォーム素材で、顔に装着する部分は眼鏡を着けていても十分な余裕があります。頭の後ろを固定するストラップはサイズを調整できるラチェットになっていて頭にフィットしました。(Upload VR)(tom’s hardware)

フリップアップ機構(装着したままヘッドセットを上に上げることができる機構)は他の人と話したり、電話に出たりするときにとても便利です。コードの長さも4mあるので動き回るのに十分です。(Upload VR)

瞳孔間距離(IPD)を変えるためにはソフトウェアを使用し、Gear VRのような(物理的な)ダイヤルはありません。ヘッドホンは内蔵していませんが、マイクは内蔵しています。ヘッドセットは、3.5mmコンボジャックを介してオーディオ出力とマイク入力をサポートし、加速度センサー、ジャイロセンサー、地磁気センサー、近接センサーを備えています。 ヘッドセットはHDMI 2.0とUSB 3.0ケーブルでPCと接続し、Xboxコントローラと互換性があります。(Upload VR)(tom’s hardware)

 

具体的な発売日時などは今後公表

全体として安定したトラッキング、映像品質、装着感が良好との意見が多いAcerのVRヘッドセット、開発者版は4月には発送を開始すると発表されていました。また、現時点では開発者版とのことで2017年中に発売予定とのことで今後のマイクロソフトのイベントなどで具体的な価格や発売日時が公表されると考えられます。

またマイクロソフトのWindows Mixed Realityを採用したMRヘッドセットはAcer以外にもDELLやHP、Lenovoなどから2017年中に発売予定です。

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(参考)
Hands On: Tracking The Progress With Acer’s Development Edition Windows VR Headset – (英語)
https://uploadvr.com/hands-on-tracking-the-progress-with-acers-windows-vr-headset/

Acer’s Mixed Reality HMD, Hands On – (英語)
http://www.tomshardware.com/news/acer-mixed-reality-hmd-hands-on,34282.html

Acer Mixed Reality HMD Doesn’t Do Mixed Reality- (英語)
http://www.tomshardware.com/news/acer-mixed-reality-headset-no-mr,34266.html

画像はUnityが開催したVision Summit2017基調講演より
https://www.youtube.com/watch?v=ODXMhaNIF5E

 
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この記事を書いた人

  • あつぽん

    日本でMRシステムの開発に携わった後アメリカへ渡り、VR/MRシステムを企業へ導入するための検討・開発に従事。現在は日本在住。

    人間の能力そのものを拡張させるテクノロジー「ヒューマンオーグメンテーション」のコンセプトに惹かれ、その界隈の動向に強い関心を持っています。その中で実用化フェーズにあるVR/MRの盛り上がりをより広い範囲へわかりやすく伝えていきたいと思っています。

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