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活用事例 2017.04.19

FacebookもARへ本腰 第一歩としてARカメラプラットフォーム発表

フェイスブックは4月18、19日の2日間、年次の開発者イベントF8を開催しています。18日の基調講演に登壇したCEO、マーク・ザッカーバーグ氏は、AR(拡張現実)を「最終的に目指すプラットフォーム」とし、その第一歩を開始すると発表しました。

ザッカーバーグ氏は、基調講演を技術がコミュニティを作っていく段階に入り、社会に貢献する技術を提供していくというコメントからスタート。スマートフォンのカメラを使ったARプラットフォームを開始することを宣言しました。

スマートフォンを使い、顔や人間の動き、現実世界を認識してさまざまな情報を付与したり、ゲームを遊ぶことが可能になります。

大いなる第一歩となるARプラットフォーム

ARは、現実に情報や3Dオブジェクトなどを表示するもの、ザッカーバーグ氏は「デジタルと物理世界をつなげる」ものとしてARが最終的に至るゴールになることについて言及しました。

2016年のF8で発表した2026年までのロードマップでは、メガネ型のARデバイスについて言及していましたが、「最終的にはメガネ型となるが、まずはカメラから第一歩を始める」として、スマートフォンのカメラを使い、AIによるコンピュータビジョンを駆使して現実の情報を認識するARプラットフォームを始めるとのこと。

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現実を舞台にしたゲームやストリートペインティングのティザーを披露

手近なデバイスであるスマートフォンからまずはARにアプローチしていく考えです。

4つの特徴

今回、フェイスブックが発表したARカメラの特徴は4つあります。

1つ目は現実に対して2Dのエフェクトをかけることができる「Basic Effects」です。すでにSnapchatやSnowなどのアプリでも実装されている顔認識に基づくデコレーション等を可能にします。

センシング技術やコンピュータビジョンの知見を組み合わせて実現したと強調。顔認識だけにとどまらず、身体もしっかりと認識できることなどを強調していました。


フェイスブックはこの機能を使った、ARスタジオを展開し、開発者がエフェクトを新しく付与することも可能にしています。ARスタジオの例としては、大企業とのコラボレーションでFPS「マスエフェクト」のARデコレーションなどが紹介されました。ARスタジオは4月18日より公開されています。

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2つ目は、現実の3D構造を認識してマッピングするSLAMに基づく「Precise Location」です。GoogleのTangoのように、空間構造を認識し、机の上に3Dモデルを置いたり、壁に情報を貼り付けたりといったことが可能となります。

VRを担当するOculusの研究チームと協力し、2016年10月に発表した一体型VRヘッドマウントディスプレイSanta Cruzの位置トラッキングにもSLAMが使われています。

現実を認識する過程
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3つ目は、現実世界に3Dのエフェクトをかけることができる「3D Effects」。SLAMによって取得された空間情報をもとに、現実空間に3Dのエフェクトを投影することができます。

4つ目は、現実の物体を認識する「Object Recognition」です。カメラを通して現実空間の物体を形状などから特定します。

また、「Location」と呼ばれる、GPSと連動してメモなどを空間においておくと、他の人とも共有できる機能も紹介されました。

こうした特徴を備えた新たなARプラットフォームを、同社は「第一歩」にすぎないと強調。将来的には、カフェで並ぶラインを表示したり、店の評価を示したり、デジタルな展示を表示できる、として最終的なARプラットフォームのあるべき姿を垣間見せました。

2016年のF8で、ザッカーバーグ氏は最終的にはメガネ型のVRとARが切り替えられるデバイスを目指すと説明しており、2017年のF8ではそのより具体的なコンテンツの姿と取組の始まりを宣言したことになります。

増えるARプラットフォーム参入

空間を認識するARプラットフォームに関しては、マイクロソフトがシースルー型のMRデバイスHoloLensを使ったMixed Realityプラットフォームを2016年春より展開しています。また、グーグルはスマートフォンを使ったARプラットフォームTangoを2016年秋より展開しています。

マイクロソフト、グーグルともフェイスブックと同様にVRにも取組を進めていくことが明らかになっています。マイクロソフトに関しては、Mixed RealityというVRとARを包括する概念を掲げています。

今後、VRとARを両輪で取り組んでいく流れが加速しそうです。


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