VR/ARヘッドマウントディスプレイ対応の視線トラッキング技術を開発するEyefluence社は、自社技術によりVRヘッドマウントディスプレイによる体験を新たなフェーズに突入させようとしています。
Eyefluence社が記者向けに開催したイベントにて、まばたきをも読み込みトラッキングする技術を発表しました。トラッキングされたデータはiPhoneの画面などで再生可能とのこと。
アイトラッキング技術はもともと、医療目的で開発されたものでした。眼球以外を自由に動かすことができなくなり、アイトラッキングのテクノロジーを世界で最初に必要とした患者のジム・マーグラフ氏と医療技術の開発に携わるデイビッド・ステイアー氏が2003年に共同で立ち上げたのがEyefluenceです。
「ポインタなどをコントロールするためだけの眼球の動きだけでなく、ユーザーの意志をも読み取れるアイトラッキング技術を開発することがEyefluenceの目標と、マーグラフ氏は語ります。
従来のアイトラッキングは視点の動きを読み取り、VRコンテンツに反映するだけでした。しかしEyefluenceは、まばたきさえもトラッキングしようと試みたのです。
彼らがアイトラッキングの技術開発を試みた理由は二つ。身体的障害を持った人たちが眼球の動きだけでより円滑に他人とコミュニケーションを取れるようにすること、そして指を使わなくてもまばたきをするだけでスマートフォンを操作できるようにすることだそうです。
Eyefluence社が開発した『iUi』というアイトラッキング技術を実際に体験した人によれば、複雑な情報を目の動きだけでインプットしたり、素早くキーボードを打ったりするにも何も技術上の問題はなかったとのこと。
マーグラフ氏は、Eyefluence社が徐々にVR/ARのハードウェアとの連帯を進めていると話しており、VR向けのアイトラッキングにも瞬きのトラッキングが組み込まれる可能性があることを示唆しています。
(参考)
Eyefluence is bringing eye tracking tech to the ‘next generation of VR headsets’ – UPLOAD
http://uploadvr.com/eyefluence-next-generation/
※Mogura VRは米Upload VRのパートナーメディアです。