【インタビュー】DMM VRがPSVRにも対応 動画だけで月商1億円の大台に!!

昨年11月に開始したVR動画配信サービスでスタートダッシュに成功した国内最大手の動画プラットフォーム「DMM.com」。先日はPlayStation VR(PSVR)への対応も発表され、大きな話題を集めています。DMMがVRに取り組んできた中で得た実績と今後のVR事業の展開について、DMM.com 執行役員 動画配信事業部 事業部長の山本弘毅氏にインタビューを行いました。

VR動画に有名なメーカーも参入してくる流れに。最大のヒット作は5,000万円以上の売上

DMM PSVR 山本

ーーDMMさんがPlayStation VRに対応されたニュースには驚かされました。そして前回インタビューした昨年末の12月に比べて、コンテンツの数がとても増えましたよね。

山本弘毅氏(以下、敬称略):
アダルトで1,000作品以上、一般で200作品以上のVRコンテンツを揃えています。今回、PlayStation VRにも対応しますけれども、360度動画を制作した際の出口になるプラットフォームとしてDMMが機能すれば嬉しいです。コンテンツホルダーの会社様にとっても「課金ができる、売上が立つ」プラットフォームというのは魅力に感じてもらえるかと期待しています。

ーーこれまでに課金されたコンテンツは累計で何作品ほどなのでしょうか?

山本:
これまでのトータルで70万本以上のVR作品が売れています。これは、サービスをスタートしてからの約5ヶ月程の数字ですね。

ーーそんなにですか……。前回インタビューした時は最も人気の作品で1,000万円以上の売上があるとのことでしたが、現在も同じような数字でしょうか?

山本:
今だと5,000万円程まで伸びました。もちろん全く売れない作品というのも中にはあるのですが、2月と3月で全体の売れ行きも好調に推移しています。スタートした時は話題性もあったので、徐々に落ち着いていくだろうと思っていましたが、良い意味で裏切られました。

ーーそれだけ好調だと、新しく参入してくるメーカーも増えていきそうですね。

山本:
そうですね。メーカーさんも最初はアダルトだと5社程、一般を含めても10社に届かない数字で始まったのですけれども、現在は50社以上が参入していただいています。やはり売れ行きとユーザーからの反応が良かったというのがあって、ソフト・オン・デマンドさんやS1さんといった大手のメーカーもVRに参入する流れが出てきました。直近だとVR動画事業全体の売上が月商1億円を超えるレベルまで伸びています。

ーー作品と売上が一緒に増えているということですね。コンテンツの増え方については、比例的に純増ということでしょうか?

山本:
作品の増え方は、今年の2月と3月に大きくカーブして増えていきました。年末年始頃が様子見だったメーカーさんのマインドが変わってきた時期に当たるのかなと思います。

私たちDMMは、あくまでプラットフォームであり店舗であって、作品を選ぶのはお客様という考えです。とにかく多くのコンテンツを店舗に置きたいという考え方ですね。国内作品は一般とアダルト問わず、販売されるコンテンツは100%網羅したいと考えています。作品数が揃っていて、さらにアプリケーションが使いやすく視聴するにも使い勝手が良い配信プラットフォームを目指していきます。

DMM PSVR 山本

「コアなVRユーザーはコンテンツに飢えているのかもしれない」

ーーユーザーからの反応はどうですか?

山本:
当初の想定以上にユーザー様の反応がとても良いんですよ。なので、私たちもVRへの力の入れ具合も優先順位も上げています。SNSを見ていると「VR凄い!」「VRしかもう買わない!」といった声もいただいていて、ユーザーさんからすると、普通のコンテンツでは満足できなくなるような、VRの持つ“新鮮でリアル感のある”魅力が、高評価に繋がっているのかなと感じています。

面白いデータとして、Gear VRのユーザー様は客単価が一番高いという数字が出ています。これはVRコア層がVRコンテンツに飢えているというのがあるのかなと思います。またこれは私の個人的な感想でもあるのですけれども、やはりハイエンドなデバイスで見るほどすごく良いなと感じてしまうんですよね。そういう面もあるのかもしれません。

ーー分かります。同じ360度動画でも全然違ったりしますよね。

山本:
ハイエンドのデバイスに対応していくことも考えていて、PSVRに続いてHTC ViveとOculus Riftへの展開も計画しています。PSVRは当初から考えていたのですが、リリースしたら想定以上に数字が良かったので「HTC ViveもOculus Riftも早く展開してしまおう」と勢いが出てきました(笑)。またコアユーザーの多い場所で展開することによって、VRの市場やニーズはさらに広げられるかなと手応えも感じています。

ーーハイエンドなデバイスだと、まずはPSVRからということですね。

山本:
そうですね。DMMがPSVRに対応というのは、ユーザー様にとっても、VR業界にとっても、反響はあるのではないかなと感じています。YouTubeがPSVRに対応した時も、SNS上で「次はDMMでしょ!」「PSVRでDMMを見たい!」って声もありましたので(笑)。そういったこともあり、VR好きのユーザー様にも刺さりやすい部分もあると思っています。

ーーコンテンツの質にもこだわっているという話でしたが、配信される作品は厳選されていないですよね。

山本:
質というのは、画質の部分です。作品自体はメタデータと映像さえいただければ基本的には配信可能です。初めてVRを体験されたユーザー様に「VRってこんなものか……」と思われたくないので、ダウンロードのみの配信で画質にこだわっていました。今ではある程度はVR動画についても知ってもらえたと思っています。そういうこともあってストリーミング配信の機能も実装しました。

ストリーミングだと回線などの問題で、どうしても画質が悪かったり、途中で動画が止まってしまったりすることが出てきてしまうかと思います。その一方でダウンロード版も用意しているので、品質にこだわる方はダウンロードして楽しんでいただきたい。ストリーミングはデバイスの容量を消費したくないという要望に応えてというのもあります。

コンテンツの質は、これから上がっていくと思います。コンテンツのジャンルや表現方法が増えていくという意味も含めてです。VR映像のコンテンツってまだ形式が限られていると感じています。ジャンルで言えば、男女のデートものやホラー、グラビア、音楽系などが多いですよね。アダルトの分野も寝転がってずっと待ってるパターンなどが多いですね。まだクリエーターの皆さんも手探り状態だと思うので、これから多くのジャンルや表現方法が生み出されていくと期待しています。

ーーコンテンツは幅広く受け入れていくということですね。

山本:
その通りです。実際に売れていくと「売れる作品の傾向」が見えてきます。それに向かって色々なメーカーさんに競争していただき、そうすると全体の作品の質も上がっていきますし、競争が激しくなると「違うことをやってみよう」というメーカーさんも出てくるので、さらに全体の質が上がっていきます。VRでいえば、スマホからGear VR、PSVRといったハイエンドなVRデバイス全てに配信できるというのを強みにしていきたいですね。

dmm_psvr 山本

ーー各プラットフォームに向けてアプリとコンテンツを制作して申請もするのはコストが掛かるので、そこは大きな強みになりそうですね。

山本:
制作費という意味でもリリースまでの納期という意味でも、コストを少なくすることができますよね。アプリを制作する費用も無く、コンテンツの制作費だけで、IOSとAndroidのユーザー様にも、さらにコアなPSVRのユーザー様やOculus RiftとHTC Viveのユーザー様にもDMMなら販売することができますよというのは、私たちの強みだと思います。また、ユーザー様に信頼をいただいて「ココからなら課金しても良い」と思ってもらえるのは、実は凄い大変です。DMMなら会員数が2,500万人いますので、そういった課金をしていただける巨大なユーザー層に向けて「VRサービスを始めました」と呼びかけることができるのは大きいと思います。

ライブストリーミングを今期中に

ーーさきほど傾向が見えてくるという話がありましたが、今の時点で売れる作品の傾向はありますか?

山本:
リリース初期の頃とは変わってきました。最初はコンテンツ自体が少なかったので、VRというだけで売れていましたが、今は内容が吟味されたり、有名な女優さんが出演している作品が売れています。通常の動画と同じです。そこはVRだからといった特別な理由があるわけではないですね。一般のコンテンツでも元から固定ファンがいる作品が好調です。元々のコンテンツに力があって、そのコンテンツがVRになったから購入しようというファンの方が多いのかなと。ファンの方はあくまでその作品の軸で探して、「VRというジャンルの中からコンテンツを探す」という訳では無いのかなと思います。

ーー今後はハイエンドのデバイスに対応していくということですが、新しい試みなども計画されていますか?

山本:
先ほどお話したOculus RiftとHTC Viveに対応するということ以外にもいくつかあります。言える範囲ですと、今期中にVRライブ中継を行いたいと考えています。まずは演劇の舞台などをフル尺で撮影したものをアーカイブして配信したいですね。長時間、例えば2時間の舞台でしたらいくつかに分割してアーカイブで配信する形式から始めるのかなと思います。また、ライブストリーミングだと画質の問題もあるので、最初は無料で実験的に行うことになりそうですよね。

――たしかにライブストリーミングは画質の問題があります。特に演劇などの役者がいるものだと表情が分かりにくくなってしまうという事も起きそうですね。

山本:
私もライブストリミーングは厳しい問題も出てくるだろうと思っています。ただ、そういった画質の問題も見据えながら、具体的な話も含めてコンテンツホルダーさんに提案をしているところです。

――今後の展開、楽しみです。PSVR対応の反響も注目したいです。

山本:
PS4とPSVRだけでもDMMへの会員登録からVRコンテンツの購入まで可能ですので、利便性も良いと思います。また、無料で体験できるVRコンテンツもアダルトから一般のコンテンツの両方で多く用意しています。PSVR対応を機会に、ライトユーザーからヘビーユーザーの幅広いユーザー様にDMMのVRコンテンツを、ぜひ体験していただきたいですね。

――これからさらにコンテンツが加速度的に増えていくのか、ぜひ期待したいです。本日はありがとうございました!

この記事を書いた人

  • 慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、環境省に入省。環境白書の作成等に携わる。ECベンチャー勤務を経て、現Mogura VR編集長、株式会社Mogura代表取締役社長。
    現実を進化させることができるVRに無限の可能性を感じ、身も心も捧げている。これまでに体験したVRコンテンツは展示、配信合わせて500作品以上。現在ももちろんコンテンツを体験し続けており、VR業界の情報集約と提供、コンサルティングに強みがある。また、海外の主要なVRイベントでは必ず現地に足を運び、取材やネットワーク構築を行っている。2016年は6回渡米。

    Twitter:@tyranusii

  • VR修行中のライターです。VRの可能性の大きさにワクワクしています。「Mogura VR」では編集周りのお手伝いと360動画の狩人を担当しています。

    Twitter:@oo2gu

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