10月31日、アスタミューゼ株式会社は、世界210ヵ国で実施されたクラウドファンディングのデータを元に、AR・VR分野におけるクラウドファンディング市場動向を分析した調査結果を公開しました。
流通金額は2014年から中近東・アジアに勢い
公開された調査結果によると、クラウドファンディングにおける流通金額トップは北米地域となっています。北米地域は、約2.6億円を集めたOculus Riftの勢いを受けて2012年から2013年にかけて急伸したものの、翌年より堅調路線に。代わって後発ともいえる中近東・アジア地域が伸びを見せ始めているとのこと。
中近東地域を牽引するイスラエル。大企業によるAR/VRベンチャーの買収が相次ぐ
中近東地域の勢いを牽引したのは、「世界を仮想の紙面にする」というコンセプトのペン型入力デバイス「Phree – Make the world your paper」で、これはどんな場所でもレーザーでペンの動きをトラッキングし、書いた文字をスマートフォンなどに入力できるというものです。
このデバイスはイスラエルのベンチャー企業「OTM Technology」による製品で、2015年6月までにkickstarterで約1億2,000万円、さらに2016年3月までにindiegogoで約1億1,000万円、合計約2億3,000万円の事前購入予約の獲得に成功しています。
イスラエルは研究開発費の対GDP比が世界1位となっており、AR/VR分野では2013年に3Dセンサーを開発するPrime Sense社をApple社が約351億円で買収しました。
その後もイスラエルでは2015年にFacebook社が3DセンサーのPebbles Interfaces社を約61億円で、2016年3月にはスポーツをあらゆる角度からリプレイ視聴できる技術を開発したReplay Technologies社をインテル社が約155億円で買収するなど、大企業によるAR/VRベンチャーの買収が相次いでいます。
なお、日本企業では2015年にサン電子がInfinity AR社に出資、さらに同年Lumus社とも提携してARによる業務効率化システムの開発に取り組んでいるとのことです。