NVIDIAはCGの祭典である「SIGGRAPH 2016」にて新たに「VRWorks 360 Video SDK」を発表しました。新たなSDKではVRコンテンツのキャプチャや360度映像のスティッチングをリアルタイムで実行できます。
360度動画のキャプチャやスティッチングをレイテンシーほぼなしで実行可能に
360度映像は一般的に複数の4Kカメラにより撮影された映像群にスティッチング処理を施し、一つのパノラマにつなぎ合わせることで制作されています。現時点で一般的なのは、GoProを6台組み合わせることです。その制作にはグラフィックス・プロセッサーが重要です。そしてスティッチングやストリーミングプロセスには、コンテンツの長さや種類によっては完了までに多大な時間を要します。
しかし今回NVIDIAが発表したVRWorks 360 Video SDKでは、VR開発者は最大32台のカメラのカメラ・リグからビデオ・フィードを取り込み、編集し、スティッチングする作業をオフラインもしくはリアルタイムのどちらでも行うことができます。また、GPUアクセラレーション、デコード、イコライゼーション、キャリブレーション、高品質エンコードなども実行可能です。
SIGGRAPHでは4Kカメラ・リグを用いての新SDKのデモンストレーションも行われる
発表された際のデモでは、目視ではレイテンシーを感じさせないほどの”リアルタイム”なスティッチングが行われていたとのこと。
VRコンテンツの制作を行っているSTRIVRのCTOであるMasaki Miyanohara氏は、「360度映像のキャプチャとスティッチングには時間がかかり計算負荷も高い。NVIDIAのVRWorks 360 Video SDKはSTRIVRのワークフローを加速するのに役立ちます」のように述べており、新しいSDKの実用性の高さが伺えます。
なおVRWorks 360 Video SDKの一般向けリリースは2016年後半としています。また、VRWorks developer pageに登録することでSDKリリース時期に関して通知を受け取ることができます。
(関連)
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(参考)
NVIDIA Announces ‘VRWorks 360′, Claims “Real-Time” VR Video Stitching(英語)
http://www.roadtovr.com/nvidias-announces-vrworks-360-claims-real-time-vr-video-stitching/
Capture, Stitch, and Stream VR Content in Real-Time with VRWorks 360 Video SDK(英語)
https://blogs.nvidia.com/blog/2016/07/25/360-degree-video-stitching/