Home » 英BBCのVRスタジオ「VR Hub」終了、VR制作は継続


業界動向 2019.10.19

英BBCのVRスタジオ「VR Hub」終了、VR制作は継続

英国放送協会(BBC)のVRコンテンツ開発・制作スタジオ「VR Hub」が終了することになりました。10月15日(※現地時間)に投稿された公式ブログにて、VR Hubの担当責任者であるZillah Watson氏が述べています。

2年に渡りVRコンテンツを制作、制作ガイドも公開

VR HubはVRコンテンツの普及・拡大を目指し、2017年11月に設立。これまでの制作コンテンツの中には、2018年にBest Mobile VR Experience賞を受賞したUnit59制作の「Nothing to be Written」などがあります。また、2019年初めにはVR短編アニメ「The Runaway」も制作しています。

今回の決定について、BBCの広報担当は以下の声明を発表しています。

VR Hubには2年分の活動資金がありましたが、現在は終了に向けて動いています。VRの技術革新を促進し、研究開発を主導することは、VR Hubの重要な役割でした。
この間に数々の賞を受賞するような作品を制作できたことは誇りですし、VRコンテンツの制作に関して貴重な教訓を学びました。

この声明に合わせ、BBCは「私たちが学んだことを幅広い業界と共有し、それぞれの分野で独自のアイデアを開発するため」に、VRコンテンツやVRにおけるストーリーテリングのガイド(※リンク先PDF)も作成・公開しています。

BBCのVRコンテンツ制作は今後も継続

VR HubはBBCのVRコンテンツ制作の中心的な役割を果たしていましたが、VR HubだけがBBCのVRコンテンツ制作現場のすべてではありません。

例えば、BBC Studiosはテレビ番組を含めたより広範なコンテンツを担当していますが、VRコンテンツの製作にも引き続き携わります。またMaze Theoryが開発するVRゲーム「Doctor Who: The Edge of Time」がまもなく登場し、また、2020年にはMRデバイスMagic Leapで動く「Micro Kingdoms: Senses」も控えています。

さらにBBCの研究開発部門では、「Easter Rising: Voice Of A Rebel」の制作を支援したほか、現在も実験的なVRコンテンツ制作に取り組んでいる可能性があります。ニュースやスポーツの分野では、交通情報やサッカーワールドカップに関するVRコンテンツが制作されていますが、今後も新しいVRコンテンツが登場するかもしれません。BBCのVR Hubは終了しますが、BBCのVRへの取り組みが終わるわけではないのです。

なお、VR Hubの最後の作品は「Missing Pictures」という6部構成のプロジェクト。今まで実現できなかった映像プロジェクトについて映像監督たちが議論する内容で、2020年には英国の図書館を巡って同テーマで語る企画も行う予定です。

(参考)UploadVR
Mogura VRはUploadVRのパートナーメディアです。


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード