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話題 2023.04.14

バーチャルライブを画像生成AIで盛り上げるツール「LAIV」発表。ユーザーの生成した画像が会場を彩る

Dentsu Lab Tokyo株式会社stuは、AI生成技術を活用したユーザー参加型バーチャルライブツール「LAIV」の開発を発表しました。現在はプロトタイプ段階であり、試験運用第一弾として、VSingerのhaju:harmonicsさんが協力したバーチャルライブが実施されました。

「LAIV」は、stuが提供しているメタバースプラットフォーム「RemoteStudio」のアドオンとして開発。メタバース空間にいるユーザーが、画面上入力欄にプロンプトを打ち込むことで、AIによる画像生成を行い、メタバース空間へリアルタイムに反映することができます。

ユーザーは、ライブ参加中にプロンプト(AIへの指令文)を入力することで、まるでエモートやスタンプのように様々な画像を表示することができます。また、ライブ演出そのものにも画像生成AIを活用でき、アーティストにとっても視覚面で演出を強化できるとのことです。

試験運用第一弾として、「ひとつの体にふたつの声」というコンセプトで活動する、VSingerのhaju:harmonicsさんの協力のもと、「LAIV」を活用したバーチャルライブが実施されました。MoguLive編集部は、このバーチャルライブの体験会に参加しました。

使用する画像生成AIは、「Stable Diffusion」をhaju:harmonicsさんの画像でチューニングしたモデルとのこと。そのため「haju」というプロンプトを入力すると、特にほかの指定を入れずとも「銀髪の女性」というhaju:harmonicsさんを思わせる画像が自動生成されました。

バーチャルライブでは、haju:harmonicsさんの楽曲「神様へ」が披露。参加者はライブ中も画像を生成でき、まるでライブ演出のように様々なイメージを発信することができました。クライマックスでは、haju:harmonicsさんが「ステージ上に立って動いている」ような、AI生成されたアニメーション画像が眼前に現れ、まるで3Dモデルがステージに立っているかのような演出がなされました。

「LAIV」はまだプロトタイプの段階ですが、目指すところは「ユーザー自身も演出家として参加する」という双方向性にあるのだそう。また、イラストからAIを用いてアニメーションを作り出すことで「ステージに立つ」という演出も生み出すことができ、3Dモデルがないアーティストでもバーチャルライブが実現できるというメリットもありそうです。

もちろん、そのままでは「よろしくない画像」も生成できるため、生成AI側になにかしらのフィルタリングなどを加える必要はありそうですし、AIが稼働した状態での同時接続人数も気がかりです。AI自体の権利問題もふくめ、具体的な活用はまだ先になりそうです。

しかし、画像生成AIの持つ強力な創造性は、バーチャルライブという場でもちゃんと活躍できるポテンシャルは感じられました。ユーザーにとっても、アーティストにとっても、AIがバーチャルライブを盛り上げるツールとなることに期待です。

(参考)プレスリリース


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