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統計・データ 2019.09.30

2019年のAR業界図公開 7つのポイントを解説

VR/AR投資ファンドであるVenture Reality Fundは、2019年のAR市場動向を示す業界マップを発表しました。

この図はAR業界を大きく3つの分類で分けたものです。3段あるうち、最も上の段がソフトウェア/サービス(Applications/Content)、中段がミドルウェア/プラットフォーム(Tools/Platform)、下段がハードウェア(Infrastracture)となっています。

Venture Reality FundのTipatat Chennavasin氏は、AR市場のポイントを以下7つ挙げて解説します。

1.  拡大するAR市場

最新の業界図が扱う企業数は380社以上。2018年から33%の増加です。

2. 過渡期にあるARデバイスメーカー

ARデバイスは第一世代から次世代へと移行しつつあります。この結果企業の淘汰が進み、DAQRICastAROsterhout Design Group(ODG)といったメーカーは閉鎖に追い込まれました。またMetaは新会社として再建を発表しています。

一方、Magic LeapRealWearは順調に資金調達を継続。マイクロソフトは、新型MRデバイス「HoloLens 2」の発売を控えています。
コンシューマー向けデバイスでは、スマートグラスを含め特徴的なハードウェアが続々と登場してきました。眼鏡のような外観のNorthのFocals、FormsのAR水泳ゴーグル、Boseの音のARグラスがその一例です。
ただし、コンシューマー向けにHoloLensやMagic Leap Oneのような多機能ARデバイスが発売されるのは、まだ1、2年は先と考えられます。

3. エンタープライズ分野の持続的成長

ソフトウェアカテゴリーにおける主な成長分野はエンタープライズ向けのソリューション及びコンテンツ制作ツールです。業界は自動車、医薬、ヘルスケア等多岐にわたります。
2018年のトピックスとしては、米陸軍が実戦、訓練に10万台のHoloLensを導入した案件があります。

4. 新たなタイプのコンテンツの必要性

汎用性のあるARツールが普及する一方、新たなコンテンツも求められています。その代表がボリューメトリックキャプチャ(人物等の立体的な情報を取得しそのままCG化する技術)です。同コンテンツへの関心は高まっており、次世代通信規格「5G」の広がりとともにさらに加速するでしょう。

5. コンシューマー向けAR市場は健在

一般向けのエンターテイメント性の高いARコンテンツは、モバイルデバイス用をメインに続いてます。ナイアンティックの「ポケモンGO」や「ハリー・ポッター:魔法同盟」が大ヒットを記録し、2019年7月には「Minecraft Earth」のクローズドベータ版が、地域限定でリリースされました。
また、Snap社のスマートフォン向けカメラアプリ「スナップチャット(Snapchat)」も依然人気を集めています。

6. モバイルAR2.0の到来

複数人が同時にARを体験できる次世代のARクラウドソフトウェア開発が進んでいます。今後はより豊かなインタラクション、持続的なAR、グローバルマッピング、マルチユーザーの体験等が実現するでしょう。そして、モバイルARエコシステムの盛り上がりに繋がると考えられます。

7. 投資の継続

ARデバイスやARプラットフォームが進化を続け、エコシステムは強固になっています。引き続き投資先としての魅力を保っていると言えそうです。総括するとARの未来は明るく、成長サイクルの次のフェーズに入っています。

2019年版VR業界マップについての記事はこちらから。

(参考)Venture Beat


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