2026年9月28日、東京科学大学病院で、ARグラスを用いた膀胱がんの手術が実施されました。患者は膀胱温存療法を目的に受診した50歳代の方です。化学放射線療法を経て行われた手術は、無事に終了しました。
研究を進めてきたのは、腎泌尿器外科学分野の吉田宗一郎准教授と、工学院電気電子系の雨宮智宏准教授らのチーム。医工連携の取り組みとして、ARグラスの視認性と軽量性を活かした内視鏡手術システムを構築しました。内視鏡映像など手術に必要な情報を、術者の視野内に表示したとのこと。
システムには、光学シースルー型ARグラス「XREAL One Pro」を採用。これに、術者の立ち位置に応じて内視鏡映像の表示を調整するThruster社のシステムを組み合わせました。術者は手元や周囲を直接確認しながら、目の前の内視鏡映像を観察できます。
また、手術室内の映像情報を統合管理する、ソニーの医療映像プラットフォーム「NUCLeUS」とも連携しています。術者が選んだ映像は、有線接続または無線伝送でARグラスに表示されます。ほかの手術参加者は、役割に応じてより軽量な「XREAL xbx a01+」を使用。こうした情報確認の支援により、安全で高精度な手術の実現への寄与が期待されています。
本研究は、科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業(CREST)の支援を受けています。研究課題は「メタマテリアル技術を活用した医療用ARグラスの実現」で、研究期間は2024〜2029年度です。

