「Unity AI βプログラム」の利用申込が始まりました。Unityが開発中のAI製品「Muse」「Sentis」を試用できます。
2023年6月27日、ゲームエンジン「Unity」を開発するUnity Technologiesは、新たなAI製品のクローズドβ版の提供を開始しました。デザイナー向け時短ツール「Unity Muse」とエンジニアの「Unity Sentis」試用版や関連文書、フォーラムにアクセスできます。
生成AI技術を応用し、複雑で労力のかかる3Dコンテンツ開発を時短・省力することで、デザイナーや開発者の共同作業をさらにスムーズにする狙いです。
「Unity Muse」は生成AIでデザイナーの工数削減
「Unity Muse」では生成AIの要素技術をUnityエディタのUI画面に組み込み、「テキストプロンプトやスケッチなどの自然な入力」で、より簡単に3Dコンテンツを作成・編集できることを目指します。
同社の紹介動画には、テキスト入力だけでソースコード例を出力したり、3Dモデルに動作(例:バク転)させたり、2Dビジュアル(例:屋根)の配色・形状を1クリックで数パターン生成する場面が描かれています。
今後数ヶ月の間に「テクスチャやスプライトを作成したり、自然な入力を使用してキャラクターを完全にアニメーション化したりする機能」を追加予定とのことです(公式ブログより)。
「Unity Sentis」でAIモデル搭載アプリを配布できる
「Unity Sentis」は、開発者がUnityで作成したゲーム・アプリを配布(ビルド)する際に、3Dエンジンへニューラルネットワークによる処理を組み込めるようになります。
紹介動画には、フェイシャルキャプチャー(顔検出)や対話応答アルゴリズム、合成音声のリアルタイム生成などを組み合わせた新キャラクター「オーブ(Orb)」と対話する場面が描かれています。
同社幹部のMarc Whitten氏によれば、「モバイルからPC、ウェブ、Nintendo Switch™やSony PlayStation®のような人気ゲーム機」などのデバイス上で処理が行えることから、クラウドゲーミングの課題とされる遅延や高負荷、複雑さが発生しないとしています。
(参考)Unity