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話題 2024.04.09

「すとぷり」の運営会社STPRに新たな動き バーチャル関連の事業を急加速中

今年にはいってから、エンタメユニットすとぷりの運営元である株式会社STPRが、バーチャル関連の事業を急加速する動きを見せています。4月8日には、VTuber事務所774inc.(現・774株式会社)を立ち上げた土屋英明氏が、新規事業「eleven studio」の代表に就任するという発表がありました。

STPRは、「すとぷり」の活動をサポートすることを主な目的として、2018年に創業した会社です。YouTubeではゲーム実況や企画動画などを配信し、リアルライブを実施してきましたが、2020年にメンバーそれぞれの3Dモデルのお披露目ライブが実施され、それ以降バーチャル上での活動が増加しています。

バーチャルライブも精力的に行っており、2022年には日本武道館でのバーチャルライブを開催。そして大きなわだいとなったのが、2023年の「NHK紅白歌合戦」のバーチャルの出場。現実の会場にバーチャルの姿のまま登場するMR的な演出が大きな注目を集めました。

他にも、ソーシャルVR「VRChat」や「DOOR」に「すとぷり」公式メタバースワールドをオープン。STPRのオフィスを再現しており、ファン同士の交流やバーチャル見学会として楽しめます。このようなかたちで、株式会社STPRは「すとぷり」のバーチャル領域での展開を拡大しつつありました。

バーチャル領域でさらに拡大を図るSTPR

これまで「すとぷり」のバーチャルでの活動に力を入れてきたSTPRですが、2024年になると、「XR、Web3.0、メタバース関連事業への参入」を宣言し、事業の急速な拡大を図っています。2024年3月には、株式会社GugenkaがSTPRグループに参画。また同月、Vライバー事務所を運営するボンド株式会社が参画。株式会社サニーサイドエックス(本社:東京都渋谷区 代表取締役社長:西谷大蔵、さらに、サニーサイドアップグループともブランドテック事業での業務提携を実施しています。


このような流れのなかでも要注目なのが、Gugenkaの参画です。Gugenkaと言えば、上記のメタバースを制作した他、デジタルフィギュア「HoloModels」の販売やアバター制作サービス「MakeAvatar」の提供、初音ミクのVRアミューズメントパーク「MIKU LAND」、サンリオのバーチャル音楽フェス「SANRIO Virtual Festival」の開催など、XR分野で多岐に渡る事業に取り組んできた会社です。代表取締役の三上昌史氏は「世界へコンテンツを届ける大きな挑戦をスタートしているSTPRは最高のパートナーといえます。」と述べており、シンガポール法人を設立したSTPRとともに、海外展開を視野に入れていることが伺えます。

一方、今回元774inc.の土屋英明氏を迎えて設立した「株式会社eleven」は、総合クリエイティブ事業を行う会社です。“コンテンツを中心とした、体験価値を高めるサービスを展開し、人の生き方が拡張する未来をつくる。”をミッションとして、2024年初夏のローンチを目指していますが、具体的な事業内容についてはまだ明らかになっていません。

土屋英明氏は以下のコメントを出しています。

STPRグループの一員として、新たな挑戦ができることにワクワクしております。
多くの人に好きになっていただき、楽しんでいただくコンテンツをつくっていくうえで、大事にしていきたい想いがあります。それは、作り手自身もそのコンテンツを好きであること、好奇心を持って変化を楽しめること、成りたい自分へ向かって勇気を持って踏み出すこと、好きだと言ってくれるファンと向き合う覚悟を持つことです。
これらの心を濁らせずに、つくったものを多くの人へ届け、多くの人の心を動かすモノづくりと純粋に向き合っていきたいと思います。

これまでのバーチャル・XR領域への進出を振り返ると、STPRは「すとぷり」のバーチャルエンタメの強化や新たな事業を作ろうとしているのが伺えます。また、今年の1月には、STPRの新プロジェクトとして「STPR BOYS PROJECT」を発表。タレントやクリエイターを広く募集していることから、既存の「すとぷり」だけでなく、さまざまなグループを発表することになるのかもしれません。

最近では、アプリゲーム化やアニメ映画化といった大規模な発表の多かったSTPRですが、その水面下で以上のようなバーチャル事業の拡大に向けて動いていることにも注目したほうが良いと言えます。グループ新体制でどのような発展を遂げるのか、業界にとっても新しい流れを生み出しそうです。

(参考)プレスリリース


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