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スマホVR 2016.07.08

【VRゴーグルレビュー】1,000円台のプラスチック製『Soyan VIRTUAL REALITY VR 3Dグラスメガネセット』

手持ちのスマートフォンで手軽にVR体験を楽しめるモバイルVR。しかし、Amazonで検索をかけるとあまりにも多くの種類のモバイルVR用デバイスが見られ、どれを買ったらいいか分からないと思います。

参考までにMogura VR編集部では全てのデバイスを実際に検証し、一つ一つレビューしていきます。

第5回はShenzhen Soyan Technologyが手がける『Soyan VIRTUAL REALITY VR 3Dグラスメガネセット』。ストレートなネーミングここに極まれりと言えますね。

Soyan VIRTUAL REALITY VR 3Dグラスメガネセット

ヘッドバンドのついたヘッドマウントディスプレイ(HMD)なので、手で支えなくてもVR体験が可能になっています。

今回のレビューでは、スマートフォンは「Xperia Z5 Premium」、イヤホンはソニーの「MDR-NWNC33」を使用しました。また、執筆者の視力は0.01の近視です。

Soyan VIRTUAL REALITY VR 3Dグラスメガネセットの特徴

Soyan VIRTUAL REALITY VR 3Dグラスメガネセット

最大の特徴は、スマートフォンの固定に用いられている留め具が吸盤であることです。24個の吸盤がペタっとスマホの背面にくっつきます。

Soyan VIRTUAL REALITY VR 3Dグラスメガネセット

また、今までレビューをしたHMDの中でもっともメガネを装着しやすかったのも特徴です。とはいっても、大きなメガネはやはり写真のように、先にHMDにメガネを装着してからHMDをかぶる必要がありますが……。

IPD(瞳孔間距離)の調節、ピントの調節が共に不可能です。このことは「Soyan VIRTUAL REALITY VR 3Dグラスメガネセットの悪い点」で語っていきます。

スマートフォンはパネル前面を開いて装着する仕組みになっています。6インチの大きさのスマホまで対応を謳うことはあり、5.5インチのXperia Z5 Premiumでも装着後は余裕がありました。

しかし、注意すべき点が一つ。スマートフォンの留め具が吸盤のため、そこにぺたりと貼り付けてから装着するように思われるかもしれません。

Soyan VIRTUAL REALITY VR 3Dグラスメガネセット

しかし、写真のように、吸盤に装着する前に、スポンジ部分にスマートフォンを載せてから蓋を閉じて吸盤で固定する方法をとらなくてはいけません。

吸盤にくっつけてから蓋を閉じても上手くスポンジ部分の上にスマートフォンが固定されないためです。

頭にかけるベルトは頭を横に一周するベルトと、頭の頂点を半周するベルトの二本で構成されており、Gear VRと同じ構造です。

Soyan VIRTUAL REALITY VR 3Dグラスメガネセットの優れている点

小さなメガネならばかけたままでも装着が可能であることです。Amazonの製品ページでも謳われているように、メガネ使用者に優しい構造になっています。

また、視野角に関しては、前回のHMDと同様、上下に関しては特に問題がありません。

Soyan VIRTUAL REALITY VR 3Dグラスメガネセットの悪い点

正直、不満点ばかり目立つ製品でした。

視野角ですが、左右の視野角に不満がありました。いえ、視野角というよりも、映し出してはいけない部分が見えていました。

Soyan VIRTUAL REALITY VR 3Dグラスメガネセット

画像の赤い斜線で示した部分が、本来HMDをつけて見た際に見えてはいけない部分なのですが、この部分が見えていたと言うことです。(画像は『Google CardBoardデモ』より)

この部分が見えるととても没入感の妨げとなってしまいます。今回のHMDでは左右に視線をやると、赤い斜線の部分が見えてしまっていたので、とても気になりました。

また、顔と密着するスポンジ部分の、鼻とスポンジの間からこのHMDも光が漏れるのですが、前回前々回の比ではないほど光が漏れており、没入感の妨げ具合がとても凄かったです。

IPD(瞳孔間距離)とピントの調節ができないことも大きな弱点です。ピントの調節はともかく、IPDの調整ができないことはとても目に負担がかかります。IPDの調整ができないがために、2画面にずれて見えるのです。数分待てば1画面に収束し、VR体験ができるようになるのですが、この数分でどっと目が疲れます。やはりIPDの調整は必要です。

さらに、スマートフォンのイヤホン端子の位置によってはイヤホンが刺さりません。

http://www.moguravr.com/vr-case/

スマートフォンを装着する際に、イヤホン端子が下にくるようになっている機種をお持ちの人はBluetoothイヤホンなどを使用しましょう。

さらに、吸盤による固定にも不満があります。というのも、この吸盤、どんだけ強く押しつけても、HMDをぶんぶん振り回すと、スマートフォンが左右にずれてしまうのです。これでは固定する意味がありません。

Soyan VIRTUAL REALITY VR 3Dグラスメガネセットの総評

1000円台で買えるプラスチック製のスマホVRHMDであるのが今製品ですが、IPDの調整ができないことが致命的でした。また、見えてはいけない部分が見えることに目をつむったとしても、鼻とスポンジの間から漏れる光の量が今回尋常ではありません。没入できるわけがありません。

ゆえに、オススメしにくい出来になってしまっています。

デバイス名:Soyan VIRTUAL REALITY VR 3Dグラスメガネセット
メーカー:Shenzhen Soyan Technology
価格:1,400円(7/6現在)
視野角:不明
IPD調整:不可
眼鏡の使用:可
対応スマホ:6インチ以下のスマートフォン
良い点:1,000円台で買えるプラスチック製のスマホVRHMD
悪い点:IPDの調整ができないので目が痛くなる、光の漏れ具合がすさまじい。


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