台湾のスマホメーカーHTCは、スペインで開催中のMWC(Mobile World Confference)で、Valveと共同開発中のVRヘッドマウントディスプレイ(HMD)「Vive」を電撃発表しました。
Steamを運営するValveがVRに関する発表を控えているというニュースは一週間前にありましたが、今回のHTCの発表によっていよいよベールを脱ぎました。開発者版の販売が2015年春からスタートし、2015年末のホリデーシーズンに一般発売の予定です。
HTCは、「Vive」が実現するVRについて「スクリーンに映っていたものを家の中に。まるで別の時間、場所にワープしたかのような視聴覚の体験を実現する」としています。
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現時点で公開されている情報を紹介していきましょう。
「Vive」の解像度は片目1280×1080、描画速度は90fps、360度見渡すことができる没入型のHMDです。1枚のディスプレイを使うOculus RiftやGear VRと違い、それぞれの目の前にそれぞれ1枚ずつ、計2枚のディスプレイを使っています。また、Oculus Riftの製品版プロトタイプが恐らく2K程度の解像度かつ90fpsではないかと言われていますが、現在公式に発表されているVRHMDの中では最高の性能を誇ることになります。
HTCが「視聴覚」と表現しているようにサウンドにも配慮されており、HMDの側面にヘッドホンジャックがあります。
位置のトラッキングについては、頭の回転は1/10度まで正確にトラッキングが可能。さらに、Steam VRベースステーション(詳細不明)と接続することで、15フィート(約4.57メートル)四方の移動を認識できるとのことです。
コントローラーは、両手にそれぞれ握りやすく設計された専用コントローラーが付属し、wiiコントローラーのように位置を認識することができます。
ここまで、Viveのハードウェアを紹介してきました。実際に体験するまでわからない部分も多くありますが、現時点の情報を見る限りはOculus Riftなどとも肩を並べる性能を実現するようです。対応コンテンツについては3Dパズルゲームの「Portal」、FPSの「Half-life」などを開発するとともに世界最大のPCゲームプラットフォームSteamを運営するValveの強みが活かされるのではないかと期待できます。HTCの公式サイトには、コンテンツを開発中のパートナーとして、Googleなど10以上が名前を連ねています。ゲームのデベロッパー以外にも360度動画のWEMOLABやドラマ配信を行っているHBOの名前もあり、「Vive」ではゲーム以外のコンテンツも楽しめるようです。
米時間3月2日から開催されるGDCで展示される「Vive」、そしてまだ詳細が明らかになっていないVRシステム「SteamVR」の発表に期待が高まるところです。
Written by すんくぼ
参考
HTC Vive公式サイト(英語)
http://www.htcvr.com/