手持ちのスマートフォンで手軽にVR体験を楽しめるモバイルVR。しかし、Amazonで検索をかけるとあまりにも多くの種類のモバイルVR用デバイスが見られ、どれを買ったらいいか分からないと思います。
参考までにMogura VR編集部では全てのデバイスを実際に検証し、一つ一つレビューしていきます。
第4回は『Vox+ Z3 VR Headset』。Amazonでは「GP 3DVR ゴーグル」の名前で販売されています。
ヘッドバンドのついたヘッドマウントディスプレイ(HMD)なので、手で支えなくてもVR体験が可能になっています。
なお、今回のレビューでは、スマートフォンは「Xperia Z5 Premium」、イヤホン・ヘッドホンはソニーの「MDR-NWNC33」とJVCの「HP-RX700」を使用しました。また、執筆者の視力は0.01の近視です。
Vox+ Z3 VR Headsetの特徴
第3回のHMDと同じ入りになりますが、メガネが使用可能です。
一回り小さなフレームのメガネでも試しましたが、先にメガネをHMDの中に入れてから装着するとすんなり入ります。
メガネを使用しない場合は視力0.01の執筆者でもぎりぎりピントがあって見ることができたので、メガネをつけずとも近視の場合でもVR体験ができます。
IPD(瞳孔間距離)とピントの調節は可能です。
スマートフォンはパネル前面を開いて装着する仕組みになっています。6インチの大きさのスマホまで対応を謳うことはあり、5.5インチのXperia Z5 Premiumでも装着後は余裕がありました。
頭にかけるベルトは頭を横に一周するベルトと、頭の頂点を半周するベルトの二本で構成されており、Gear VRと同じ構造です。
Vox+ Z3 VR Headsetの優れている点
視野角に関してですが、上下の視野角に関しては満足いくものでした。左右の視野角は意識するとやや物足りなく感じますが、それでも、スクリーンのように画面が見えることは、意識しすぎなければありません。
このHMDで一番良いと感じたのは、スマートフォンの装着方法にあります。
分かりづらいですが、写真中央に、スポンジの留め具が2つついています。この上にスマートフォンを載せて、あとは蓋を閉じるだけで装着が完了します。
スマホ用VRアプリを体験する時は、多くのアプリにおいて、画面を操作し、VR用の2眼状態にしてから装着するため、VR用の2眼状態からいかに素早くスマホをVRHMDに装着するか、という問題があります。
そういった場面において、この簡単なスマートフォンの装着方法はとても優れています。
Vox+ Z3 VR Headsetの悪い点
優れている点で言及したのですが、視野角については、やっぱり、意識して左右に目を向けると足りておらず、気になりはじめるとどうしても気になってしまいます。
また、顔と密着するスポンジの、鼻とスポンジとの間に関しては、少量光が漏れてきています。他のスマホ用VRHMDの中ではごく少量の光ですが、こちらも気になり始めると没入感が削がれてしまいます。
また、ヘッドバンドのHMD本体との接続の仕方のためか、その接合部(上写真)からも少し光が漏れてくるのも残念です。同じく、これも気になると没入感を削いでしまうことになります。
また、イヤホンのプラグが小さなものならば問題はありませんが、ヘッドホン用の大きなプラグの場合、HMD前面のパネルが閉まり切りません。
Vox+ Z3 VR Headsetの総評
優れている点、悪い点両方で視野角に触れるほど、視野角の性能に関してはとても微妙です。しかし、合格点には達していると筆者は判断しました。満点ではありませんが……。
また、漏れる光の量も無いということは無いものの少量、という状況です。
しかし、どれも最初にこのHMDをかぶった時には気づかないほどのものなので、気にならなければVR体験をとても楽しむことが出来るHMDでした。そういう意味で、『色々と惜しい』スマホ用VRHMDです。
売価が2000円弱と安いことを考えると仕方がないのかもしれません。値段を考えると2000円弱のスマホ用VRHMDの中ではオススメできる性能です。
デバイス名:Vox+ Z3 VR Headset
メーカー:Vox+
価格:2160円(7/4現在)
視野角:120°
IPD調整:可
眼鏡の使用:可
対応スマホ:4-6インチのスマートフォン
良い点:手頃な価格のヘッドマウントディスプレイ
悪い点:光の漏れ、左右の視野角など、気になる点がいくつかある。