手持ちのスマートフォンで手軽にVR体験を楽しめるモバイルVR。しかし、Amazonで検索をかけるとあまりにも多くの種類のモバイルVR用デバイスが見られ、どれを買ったらいいか分からないと思います。
参考までにMogura VR編集部では全てのデバイスを実際に検証し、一つ一つレビューしていきます。
第3回はその名も『VR CASE』。ネーミングがストレートだと思います。ちなみに、Amazonリンク先の製品とデザインは異なりますが、送られてくる製品は同一です。
なお、今回のレビューでは、スマートフォンは「Xperia Z5 Premium」、イヤホンはlogitecの「LBT-HP05」を使用しました。また、執筆者の視力は0.01の近視です。
VR CASEの特徴
この製品の一番の特徴、それはずばり、メガネが使えることです。
そこそこ大きなメガネも、なんとかいれて、使うことが出来ます。ただし、大きなメガネの場合、写真のように先にメガネをヘッドマウントディスプレイ(HMD)内にいれてから、かぶるという小技が必要です。
一回り小さなメガネでは、先にメガネをいれなくても、メガネをかけながらHMDをかぶって使用することができます。
なおこのVR CASE、IPD(瞳孔間距離)の調整、ピントの調整が他の製品とはちょっと違っています。
多くのHMDではダイヤルを回してIPDの調整を行いますが、このVR CASEでは、写真のようなつまみを動かしてIPD、ピントの調整を片目ごとに行うことができます。
ただし、片目ごとにIPD、ピントの調整ができるからといっても、PC用VRHMDの「Oculus rift」や「HTC Vive」さえ両目のレンズを同時に動かしてIPD、ピントの調整を行っていることから考えると、このような片目ごとに調整する機能は必要ないのではないかとは思います。
スマートフォンはHMD前面のパネルに、専用の留め具で固定します。5.5インチのXperia Z5 Premiumでケースの大きさからして限界でした。
頭にかけるベルトは頭を横に一周するベルトと、頭の頂点を半周するベルトの二本で構成されており、Gear VRと同じ構造です。
VR CASEの優れている点
メガネが使用できることは特徴と同時に優れている点の一つです。なお、このHMDは、メガネなしで使用すると、執筆者の視力0.01ではぼやけて見えてしまいました。メガネをかけている人は素直にかけて使いましょう。
また、顔に直接当たるスポンジの部分と、ヘッドバンドの素材、どちらも顔や髪にひっかかることなくスムーズに装着することができます。
VR CASEの悪い点
今回も前回に続いて不満点の目立つHMDでした。
まず視野角です。前のVR SHINECONでは「スクリーンのように見えてしまい」と表現しましたが、今回は「スマートフォンの画面をそのまま拡大しただけ」でした。視界を覆い尽くすほどの視野角はありません。
というのも、スマートフォンの画面だけでなく、ベゼル(額縁)まで見えてしまうなど、スマホのスクリーンのみを拡大し、像を歪ませて視野角を大きくするという対策が全然されていませんでした。
顔と密着するスポンジ部分でも、鼻とスポンジとの間から光が漏れ、現実世界が見えるので、没入感がそがれます。
また、コードのついたイヤホンが使えないことも問題です。
そのため、このHMDを使用する際は、コードレスのイヤホンを使用しましょう。今回はBluetooth対応のイヤホンを使用しました。
この写真だけを見ると、横の穴からコードをいれられそうです。
しかし、この穴はあくまで放熱のための穴であって、イヤホンのコードが差し込めるわけではありませんでした。
VR CASEの総評
メガネが使える構造なのはとても素晴らしいと思いますが、クリアな視界で見ることができるのはスマートフォンを拡大しただけの図であり、全然没入できませんでした。
メガネが使えるからといって、この製品をVR体験のために購入することはオススメできません。
デバイス名:VR CASE
メーカー:yukiss(輸入販売店名)
価格:2,599円(6/30現在)
視野角:70~90°
IPD調整:可
眼鏡の使用:可
対応スマホ:3.5-5.5インチのスマートフォン
良い点:メガネが入る
悪い点:スマホそのものを拡大した像しか見ることができない