Snapは、オランダのARスタートアップ・Th3rdを2022年第2四半期に買収していた旨を明らかにしました。本買収の一環として、Th3rdのチームメンバー4人がSnapに合流したとのことです。なお、買収金額等の詳細は公表されていません。
商品のデジタルカタログ化技術に強み
Th3rdは2014年創立。オランダの首都、アムステルダムに拠点を置くスタートアップです。人物や商品を高精度の3Dコンテンツに変換する法人向けソリューションを提供してきました。同社はブランドや小売業者の大量の商品データをデジタルカタログ化する技術を得意としており、欧州アディダスのアクセラレーターとして2,500足以上をデジタル化した実績を有します。
ARショッピングに注力するSnap
Snapは、スマートフォン向けアプリ「Snapchat(スナップチャット)」を運営する企業です。2022年9月の大規模なレイオフ以降、AR分野に注力しており、2023年3月には法人向けARソリューション「ARES(Augmented Reality Enterprise Services)」を発表しました。
「ARES」は「3Dビューアー」「AR試着」「Fit Finder」などのSnapchatの機能を、自社のアプリやウェブサイトにて直接提供できるサービス。これは同社が買収したVertebraeやFit Analytics、Formaの技術を統合し構築されています。
ARESにTh3rd技術を応用か
SnapはTh3rdの技術をどのように自社サービスに取り込んだかについて言及していませんが、Th3rdの公式サイトでは「私たちは現在、ARES(AR Enterprise Services) 、Snapが提供する新しいSaaSの一部であり、世界クラスのARおよびAI技術を顧客の所有・運営するアプリやウェブサイトに提供します」とのコメントが掲載されています。
一方で、Snapの広報担当者は米メディアTechCrunchに「買収の一環として、Th3rdのチームメンバー4人がSnapに加わった」と明らかにしました。なお両社は本買収について、条件の詳細を公表していません。
(参考)TechCrunch