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10月以降、PS VRは再攻勢か 年末商戦に向けて吉田修平氏が語る

2017年9月19日に開催された2017 PlayStation Press Conference in Japanにて、新価格設定や供給の強化が報じられたPlayStation®VR(PS VR)。9月21日から千葉・幕張で開催された東京ゲームショウ(TGS)で、ソニー・インタラクティブエンタテインメント ワールドワイド・スタジオ プレジデントの吉田修平氏にPS VRの現状と今後についてインタビューしました。

10月以降は供給を強化、購入しやすい形で再展開

——2016年10月にPS VRが発売してからおよそ一年が経ちます。発売からしばらく経つ今も品薄が続いていますが、先日のカンファレンスで発表されたように、PS VRの供給体制を強化したり、PS Camera同梱版を新価格に設定したりといった形で、以前より購入しやすくなりますね。

吉田氏:
PS VRについては、発売直後から非常に好評をいただいています。残念ながらすぐには供給体制が整えきれなかったので、今年の春くらいから台数を少しずつ増やしてきています。10月中旬以降にはとても良い形で供給できる準備が整いました。この段階でのPS Camera同梱版の新価格設定を通して、よりお買い求めやすい形でPS VRを再度プッシュしていければと思っています。

——PS VRを広めるというのは、イコールVRのことをより広めていくということになると思いますが、VR自体の普及に関してはどうお考えでしょうか。

吉田氏:
VRについてはかなり認知が進んできていますし、日本においてはVR ZONE SHINJUKUのように、ハイエンドなVR体験が気軽に楽しめるような環境もできつつあります。しかし、VRを体験していない人の方が圧倒的に多い状況は変わっていないと思います。今年も変わらず、より体験を重視しつつ、より新しいVRコンテンツを併せて紹介していきたいと考えています。

——6月にはPS VRの実売台数が100万台を突破したという発表がありました。その後の販売台数の伸びはいかがでしょうか。

吉田氏:
順調ですね。継続的に増えています。実売のデータは100万台からアップデートはまだしていませんが、全世界的に、価格を調整し、買いやすい形で、という展開をすでに始めています。

——今回の新価格設定や、供給体制の強化により、台数はぐっと増えそうだと思っています。

吉田氏:
そうですね。10月以降に、全世界的にプロモーションを再度展開していきたいと考えています。

アーケードにも積極的、VRに触れる機会を増やす

——先ほど「VR ZONE SHINJUKU」の話が出ていましたが、今後のアーケードVR施設への展開はどのように考えていらっしゃいますでしょうか。PS VRの使用例として、お台場と東京ソラマチにある『VirtuaLink』があります。

吉田氏:
PS VR発表の時点から、多数の企業さんから業務用に使いたいというお話をいただいていました。しかし去年の10月まではPS VRをユーザーに届けることが最優先でしたので、お待ちいただいていました。

——まずは家庭への普及から。

吉田氏:
PS VRの導入がうまくいったので、今年の春からロケーションベースエンタテインメントの企業さんにもPS VRを提供する取り組みを、ロケーションベースエンタテインメント事業推進室を主導に開始しています。日本で初導入となるのがコニカミノルタさんの『VirtuaLink』、そして東京ワンピースタワーの『ONE PIECE GRAND CRUISE』です。こうした取り組みは手軽にPS VRを体験していただく良い機会になると思っているので、サポートしていきたいと考えています。

アジアのVR熱、日本のデベロッパーの海外展開支援は?

——今年の発表を見ていると、シンガポールのGattai Gamesによる『Stifled』や中国ChangYou Gamesの『Legion Commander』、VIVA Gamesの『Kill X』など、昨年と比較してアジア圏のゲームが多くなった印象があります。アジア発の作品はプッシュしていきたいとの考えでしょうか。

吉田氏:
もともとPlayStation®4(PS®4)を様々な地域で販売・展開していく上で、現地デベロッパーのコンテンツが出てくるのは大事なことだと考えています。地元のデベロッパーがその国の文化を背負って、世界に向けて発信していくことができると、それぞれの国でも政府も含めて産業として盛り上げていこうという流れになるので、そういった形になるように色々とサポートしてきています。
特にアジアについてはVR熱が非常に大きいです。これまでPCでゲームを作っていた人たちが「コンソール向けゲームより先にPS VR用タイトルを作る!」というケースも結構あります。そういったデベロッパーの作品がPS VRを通じて全世界で配信されるようになることは、とてもいいことですので、カンファレンスで紹介したり、色々なサポートをやっていこうとしているところです。

https://www.youtube.com/watch?v=2Vhrt9zIAE0

——逆に、日本国内のデベロッパーが海外向けにPS VRタイトルの制作を行う場合、海外のイベントや展示会等でプッシュする仕組みや取り組みはありますか。

吉田氏:
過去においても、各地域でソニー・インタラクティブエンタテインメントアメリカ(SIEA)やソニー・インタラクティブエンタテインメントヨーロッパ(SIEE)が担当しているイベントで、日本やアジアのコンテンツを展示しています。
欧米でパブリッシングを既に行っているデベロッパーからは、直接SIEAやSEIEのコンタクトを通じて提案をしてもらっています。そうでないインディータイトルや、パブリッシングを別の会社に任せているデベロッパーは、パブリッシャー経由あるいはソニー・インタラクティブエンタテインメントジャパンアジア(SIEJA)を通して、SIEAやSIEE等に評価してもらうといったサポートを行っています。

今後のPS VR、吉田修平氏の”推し”タイトルは?

——今回のTGSで展示されていたり、先日のカンファレンスで発表されたタイトルのうち、吉田さんの”推し”のタイトルはありますでしょうか。

吉田氏:
まず、『エースコンバット7 スカイズ・アンノウン』のVRモードです。私も去年、開発中のものを体験させてもらいましたが、あれはとても楽しいですね。

https://www.youtube.com/watch?v=9ypRhjU-OHg

——『エースコンバット7』のVRモードは、Mogura VRのメンバーが先行体験会に参加させていただいていましたが、非常に好評価でした。臨場感が違うと。

吉田氏:
他にも注目しているのは『The Elder Scrolls V Skyrim VR(スカイリム)』ですね。広大な世界があり、RPGでその世界に浸るという体験はどういうものだろうかと。私は開発中のものを体験したことがあるのですが、あの世界に自分がいて、頭上を見るとドラゴンが飛んでいくというのはすごい迫力ですね。もちろんVRならではのカメラ操作やナビゲーション方法といったチャレンジがあると思うのですが、非常に期待しています。

https://www.youtube.com/watch?v=_uelzOUIksk

——『スカイリム』の世界をどうVRで表現するのか、期待が高まりますね。

吉田氏:
それから、『ねこあつめVR』ですね。

——今回はタイトルのみの発表でしたが、『ねこあつめVR』の発表には驚きました。

吉田氏:
どんな作品になるかはまだ分かりませんが、すごく良いものができたとしたら「『サマーレッスン』の猫バージョン」ができるんじゃないかと。PS VRをかぶると自分の好きな猫に会えて、猫は自分を認識してくれる。1日1回会いたいな、といった風になると、VRを使ってまったりできますね。

——日常的に起動するようなものを想定していると。

吉田氏:
リラクゼーションに使えたりとか、”誰かと一緒にいる”という感じですね。ちょっと寂しい時に好きな猫にVRで会おう、そんな風になると良いと考えています。

——以前、SIEJAのプレジデントである盛田厚氏が、「PS4®は一家に一台を目指す」と話していましたが、PS VRも日々の生活に根付くものとして今後は考えていくということでしょうか。

吉田氏:
そうですね。PS4®やPlayStation®3の時代からそうだったのですが、ゲームだけではなく、ビデオコンテンツ等もたくさん視聴されています。おそらくゲームプレイヤーでない方が同じ家庭にいて、それらのコンテンツを楽しまれている可能性が高いと考えていますが、PS VRはより広いユーザー層にアピールできるコンテンツです。ゲームコンテンツは、将来的にはひとつのジャンルにすぎない、という状況になっているかもしれません。
朝日新聞さんの『News VR』やコンサート、スポーツイベントといったものも含めて考えてゆくと、VRの対象ユーザーは全人類、だと思っています。そこに一歩一歩近づけていければと。

——ありがとうございました。

この記事を書いた人

水原由紀

あちらとこちらを往復する。某ゲーム系の制作会社でプランナー・進行管理・その他もろもろを経てMoguraに合流。現在は記事執筆や編集、取材などを担当。デジタルゲームやVR/AR/MRにおける物語体験や、フィクション/プレゼンスのありかたに興味。ゲーミングコミュニティ「ポ」の管理者のひとり、という側面も。 Twitter:@mizuharayuki

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