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メタバース 2023.01.16

サンリオのガチはここまですごい……! どんな音楽ともなかよくなれる新感覚パレード【SANRIO Virtual Festival 2023】

1月13日(金)に開幕した、サンリオ主催のメタバースイベント「SANRIO Virtual Festival 2023 in Sanrio Puroland」。今回は10日間にわたって開催され、期間中は数々のイベントやコンテンツを楽しめます。初日となる13日夜にはオープニングセレモニーも行われました。

オープンから間もなく、VRChat会場で大きな盛り上がりを見せていたのが「サンリオバーチャルパレード ミュージカルトレジャーハント」です。

現実世界のピューロランドに実在する「知恵の木」をモチーフとした空間に、サンリオキャラクターたちが登場して行われるバーチャルパレード。「世界初のキャラクターVRパレード」として0b4k3氏が制作に参加しています。

慣れ親しんだサンリオキャラクターが織りなす「かわいい」と「楽しい」をたっぷり味わえるパレード……かと思いきや、それだけでは終わりません。本イベントの魅力を、写真多めでお伝えします。

ピューロランドのシンボル「知恵の木」に集合

パレードが行われるのは、バーチャルサンリオピューロランドのエントランスから、エスカレーターを降りた先のフロア「バーチャルピューロビレッジ」。ピューロランドのシンボル「知恵の木」を中心に、遺跡のような空間が広がるワールドです。イベント期間中は1日3回、ここでパレードが行われます(10:00 / 20:00 / 23:00)。

(※VRChat会場でパレードを見る場合は、イベントの専用ワールドにアクセスする必要があります。通常の「バーチャルピューロビレッジ」と間違えないようご注意ください)


開演時間になると、空間が暗転。いわゆる「前説」としてアナウンスが流れます。

アナウンスに従って目の前のハートマークをタッチすれば、リアルのピューロランドでも使われている「ハートライト」が出現。手に持ってハートライトを振ると、カラフルな音符のエフェクトが発生します。パレードを存分に楽しむためにも、1つは持っておきましょう。両手に装備するのもありです。

アナウンスが終わると、すぐにイベントがスタート!

幕が開き、無数の風船が浮かび上がる中に、おなじみのキュートなシルエットが登場。そして次の瞬間、明るくなった空間を見渡すと、ピンクを基調としたライトに彩られた「知恵の木」と、そのステージに立って歌って踊り始めるキティちゃんの姿がありました。



「みなさんはどんな音楽が好きですか?」と問いかけてきたキティちゃん。彼女の話によると、いろいろなジャンルの音楽を楽しめるバーチャルピューロランドでは、「音楽とお友達になれるすてきな宝物」が見つかるのだとか!

そんな誰も見たことのない宝物を探すべく、ワープマシンに乗り込みます。「冒険の旅へ! レッツアドベンチャー!」の掛け声が響き渡るやいなや、色鮮やかなエフェクトが眼前に広がり、どこかへと「ワープ」することになります。展開が! 早い!


現実ではありえない至近距離でパレードを体感!

降り立ったのは、はじまりの森。不安げなキティちゃんに答えるように、ピューロランドの仲間たちが登場します。



ふわふわの雲のような乗り物に乗って、「知恵の木」をぐるっとまわりながら登場したサンリオキャラクターたち。その上に乗って歌って踊る姿は、まさにテーマパークの「パレード」そのものです。見ていてテンションが上がらずにはいられません。

これだけなら現実のテーマパークでも見られる光景ですが、この空間では、背景の木々が音楽に合わせて動き出します。いつの間にか迫っていた木に取り囲まれて焦ってしまう場面もありました。


遠目からパレードを眺めるだけでなく、至近距離まで接近できるのもポイント。現実のテーマパークのパレードは観客が多く、基本的には特定の位置から見ることになりますが、バーチャルならば人が多くても自由に移動できます。

自分の「推し」のキャラクターに近寄れますし、移動する乗り物を追いかけてもOK。筆者が2回目のパレードを見に行った際には、「OH! HELLO KITTY!?」「Kuromi-chaaaaaaan!!」などと歓声を上げながら、思い思いにパレードを楽しむ海外のお客さんの姿も見られていました。


また、パレード中に流れる「音楽」も必聴です。

登場するキャラクターの自己紹介ソングも兼ねているらしく、たとえばポムポムプリンくんは「ぼくはプリン! ゴールデンレトリバーの男のコ♪」と歌っていました。キャラクター全員分のパートがあり、ピューロの仲間たちの歌声を堪能できます。ほかにも楽曲中には、聞き覚えのある「ピューロマーチ」のメロディと歌詞も。

音と光を全身で味わう体験

「ミュージカルトレジャーハント」のタイトルどおり、「ミュージカル」の要素が多分に含まれた展開となっています。

ふと気がつくと、静寂に支配された森に迷い込んでいたキティちゃんたち。そこに、巨大なスピーカーのような口を持つモンスター? 精霊? が現れます。

「いろんな音楽となかよくなりたい!」と話すキティちゃんに対して、「それじゃあ、こんな音楽でもなかよくなれるんだな?」と一言、ノイズ混じりの重低音を響かせる彼。

観客からも、「なんじゃこりゃー!?」「さささサンリオさん!?」といった、悲鳴や戸惑いの声が上がるほど。





(プリンくんもこの表情である)

自身の好きな音楽を誰にも認められず、どこにも行き場がなくなり、すべてを諦めて、無音の世界で暮らすことを選んだのだと吐露するモンスター。しかし、そんな彼にもキティちゃんは語りかけます。

「私たちが音楽に寄り添えば、どんな音楽ともなかよくなれるわ!」

ノイズ混じりの空間で、心で音楽を感じようと、ハミングをするキティちゃん。それに呼応するように、歌い始めるピューロの仲間たち。その優しい音色に抵抗する姿勢を見せていたモンスターも、やがて歌声に耳を傾けて、一緒に歌い始めます。

光の泡に包まれる仲間たちと、その周囲に浮かび上がる音符の数々。キティちゃんは観客たちに向けて声をかけます。

「みんな! お願い! 一緒にハートライトを振って参加して!」


ハートライトを大きく振ると、出てくる音符も泡に包まれたエフェクトに。観客たちのハートライトから発せられた音符は上空へと集まり、大きな光へと収縮していきます。

と同時に、今いる空間全体にも大きな変化が。上空へと集まっていく光の動きに合わせて、最初にいたピューロビレッジの遺跡のシルエットが、徐々に形作られていくではありませんか! 上空の光と周囲のシルエットが空間を満たし切った、次の瞬間。

――光が弾けて、歌とノイズの、音と光のセッションが始まりました。


加速する曲調と、刻まれるビート、かき鳴らされるギターの音色に合わせるようにして、ハートライトを振る観客の動きもヒートアップ。一緒に歌うピューロの仲間たちとモンスターの歌声が恍惚とした気持ちにさせ、音と光に身をゆだねた人も多かったのではないでしょうか。

この後の展開は、VRChat会場、または各種アプリの配信やYouTubeでご覧になってみてください。



(守りたい、この笑顔)

One World, Connecting Smiles.

アンダーグラウンドなイメージもあるノイズミュージックをはじめ、サンリオキャラクターが登場するイベントとしては思いのほか演出がハードであるようにも感じられました。ですが、繰り返される「みんななかよく」はサンリオが一貫して伝えようとしているメッセージで、物語と音楽を介した表現だからこそ、劇中で語られる言葉と歌詞を素直に受け止められたと思います。

悲観的だったモンスターが、キティちゃんと2人で「いつでもなかよく どこでもなかよく」と歌う場面は、少し目頭が熱くなりました。

「サンリオバーチャルフェスティバル」で楽しめるコンテンツとして、これ以上にふさわしいものはないようにも感じます。このフェス自体が「リアルもバーチャルも関係なく、さまざまなジャンルのアーティストが集う音楽イベント」だからです。

自分が好きなアーティストだけではなく、多種多彩なジャンルの音楽と出会える。それが、「フェス」の醍醐味のひとつ。実際、このパレードの中だけでも複数のジャンルの楽曲を楽しめましたし、フェスと音楽の魅力がぎゅぎゅっと濃縮された20分間だったように思います。

「心を寄せ合えば、どんな音楽だって、なかよくなれるわ!」
「音楽は、心と心をつなぐ、『なかよく』の宝物!」

VRの空間演出とパーティクルに興奮させられるのみならず、「音楽」の魅力と楽しさを再認識させられました。これを見てしまったら、フェスが開催される2日間はたくさんの歌とパフォーマンスを味わいたい。そう考えずにはいられません。




もうひとつ印象に残っているのが、イベント終盤の空間と、そこに至る演出です。周囲を囲んでいた遺跡の壁が取り払われ、頭上には青空が広がり、足元には花々が咲き乱れていく。「Over the Rainbow」の一言から始まる歌で、最後に虹がかかる――。

それだけでもエモーショナルなエンディングですが、それ以上に感激して思わず声を上げてしまったのが、この曲の最後に繰り返し歌われる歌詞。「One World, Connecting Smiles.」――サンリオさんがビジョンとして掲げているこの言葉を、サンリオバーチャルフェスティバルというイベントの、パレードで歌われる最後の楽曲の、締めくくりのワンフレーズに持ってきている。

しかもそれが「壁が取り払われる」という演出に合わせて歌われている。そのことに、なんだかいたく感激してしまったんですよね。



このパレードを見られただけで早くも大満足してしまっている気持ちもありますが、「SANRIO Virtual Festival 2023 in Sanrio Puroland」はまだ始まったばかり。

毎日、何かしらのイベントが開催されていますし、最後の2日間にはアーティストパフォーマンスとクラブイベントもあります。また、繰り返しになりますが、パレードも1日3回(10:00 / 20:00 / 23:00)実施されています。YouTubeで見ることもできますが、VR環境がある方はぜひVRでアクセスしてみてください。パレードは無料です。

あと最後にもうひとつだけ!
ミュージカルトレジャーハントの楽曲配信、お願いします……!

・公式サイト:https://v-fes.sanrio.co.jp
・公式Twitter:@SANRIO_VFes


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