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VRChat 2024.02.27

【サンリオVfes】「私立VRC学園」の課外授業に参加! 執事が実践するコミュニケーション術を学ぶ

2月19日(月)よりスタートした、サンリオによるバーチャルイベントSANRIO Virtual Festival 2024 in Sanrio Puroland(サンリオVfes)。3月17日(日)まで、「VRChat」を舞台に様々なイベントやコンテンツが展開されます。

パレードやゲーム、そしてアーティストライブなどコンテンツが目白押しですが、今回のもう一つの主役とも言えるのが「コミュニティコラボ」。VRChatで活動する様々な団体・イベントが、サンリオVfes期間中に特別な企画を実施しています。

今回は、根強い人気を誇る私立VRC学園のコミュニティコラボを取材。様々な講師が登壇する「課外授業」の第1回として、現役の執事がコミュニケーション術を伝える授業に参加しました。

現役執事が伝える「執事という職業」とコミュニケーション術

「私立VRC学園」は、VRChatを始めたばかりの人や、始めたもののまだよくわかっていない人をターゲットにした、学園型コミュニティイベントです。

参加者は2週間の期間中、現実の学校のようにクラスに分かれて、講師による授業で学び、クラスメイトと交流。VRChatの文化などを学びつつ、VRChatで新たな友人をつくることができます。数あるVRChatイベントの中でも特に人気で、2020年5月のスタート以来、本記事執筆時点で第14期まで開校しているロングランイベントでもあります。

コミュニティコラボ「私立VRC学園 みんななかよく課外授業」は、いわば「私立VRC学園」の出張版イベント。毎週火曜日22時に開催され、毎回様々な講師を招いた授業が開かれます。ちなみにこのイベント、前回のサンリオVfesに続き2度目の開催です。

もともと人気イベントということもあり、参加上限の80人まで瞬く間に来場! 満員御礼の状態で課外授業がスタートしました。

筆者が取材した第1回の授業は「現役執事が伝える執事流コミュニケーション術&所作指導」。日本バトラー&コンシェルジュに所属する現役執事・Kajiさんが講師となり、執事ならではのコミュニケーションのいろはを伝えるという内容です。授業内容は同社が運営する執事養成機関で提供されるものがベースになっているのだそう。


(特別授業講師・Kajiさん)


(講師紹介スライド。執事の中でも「バトラー」という、いわゆる一人前になった執事なのだそう)

授業はまず、執事と呼ばれる仕事の解説からスタート。日本バトラー&コンシェルジュでは、専属執事による日常生活のサポートに加えて、各種手配・調査・紹介、ドラマや映画向けの所作指導など、様々な業務を行うのだそう。そして同社はメタバース事業として、メタバース文化や価値観などの調査・研究、執事という職業の認知度向上、そして執事になりたい人の発掘などを行っている、と説明されました。

こうして見ると、いわゆる「常に付き従って紅茶などを淹れてくれる人」のようなイメージとは、かなり異なります。Kajiさんもこうしたよくある執事像を引き合いに出しつつ、「弊社社長はよく『顔採用はやってませんからね!』と言ってます」と述べ、会場の空気を和らげていました。

そして、今回のキモとなる「執事流のコミュニケーション術」について解説。「新人執事になったつもりで聞いていただければ」と前置きしつつ、Kajiさんが伝えた内容は非常に実用的。「適切な容姿・服装を選ぶ」、「相手と適切な距離を取る」、「お友達のお友達にも配慮する」、そしてなにより「相手の思考を考えて、自分本位のコミュニケーションをしない」は、公私ともに役立つコミュニケーションの要点です。

スライドと口頭説明だけでなく、Kajiさんは「私立VRC学園」側のスタッフに登壇をお願いし、具体的なシチュエーションも交えた解説も行いました。「相手のアクセサリーやプロフィールから会話の糸口や地雷を見極める」、「友人が自分の知らない人と会話している際には、一言その知らない人にも声掛け・自己紹介する」といった、VRChatでも役立つコミュニケーションを実践形式で伝えました。

さらに、執事ならではの所作として「敬礼」についても解説。「お客様からご依頼・お願い事を承った際に行う所作」を、日本バトラー&コンシェルジュの社長の写真を交えながら説明してくれました。

ただし、こうした敬礼は公共の場で行うとVIPであることが一目でわかるため、ほとんどの方は好まれないのだそう。Kajiさんも執事になりたてのころ、コンビニの買い物を頼まれた際に敬礼をして「恥ずかしいからやめて」と言われたエピソードに触れつつ、「できるだけ目立たない行動を心がけること」という執事の大切なポイントを伝えてくれました。

授業の最後には、より執事のことがわかる書籍や、日本バトラー&コンシェルジュで企画中の「新人執事研修体験イベント」について紹介。全体を通して、誰にでも役立つコミュニケーションのポイントを伝えつつ、執事という職業の解像度を引き上げてくれる内容でした。

ちなみに「新人執事研修体験イベント」では、参加者に日本バトラー&コンシェルジュのバトラーが実際に身に着けているバッジのメタバース版がプレゼントされるそうです。内容も含めて気になりすぎるイベントです……!

授業終了後は、Kajiさんを中心に多くの人たちが集まり、にぎやかな談笑の場が広がりました。Kajiさん自身もVRChatユーザーの一人。和やかに親しい人と話す姿から、「メタバースは距離を超える」ことをあらためて感じました。

VRChatの文化発信を通して、みんななかよく!――講師・運営インタビュー


(左から順に、「私立VRC学園」公式アカウント、Kajiさん、せと。/setohimaさん、楪シオンさん)

授業終了後、特別講師のKajiさんと、「私立VRC学園」運営メンバーのせと。/setohimaさん、楪シオンさんにお話しを伺いました。

――今回、どのような経緯でKajiさんが特別講師を担当されることになったのでしょう?

Kaji:
以前「私立VRC学園」にて講師を担当させていただいたことがご縁でお声がけいただきました。私自身、学園では講師だけでなく生徒としても参加経験があり、いろいろとお世話になっております。

せと。/setohima:
Kajiさんは過去の開校時にも何度か授業を担当いただいたのですが、参加生徒からも特に好評な授業でした。そこで今回、一般の方も参加できるコミュニティコラボの講師に適任と考え、特別講師に選出させていただきました。

――特別授業を通して、どのようなことを伝えたかったのでしょうか?

Kaji:
まず、執事という職業をよく知っていただきたいという想いがありました。やはり、執事と聞くと「お紅茶を淹れる方」というようなイメージが強いと思います。しかし、実際はコミュニケーションを重点的に行なっている仕事なのだと、授業を通して知っていただければ幸いです。

そして、我々執事の持つスキルをお伝えすることで、みなさまの暮らしが少しでも豊かになり、助けになれればなと思います。

――少し大きな質問になりますが、執事にとって、VRChat(メタバース)とはどのような場所ですか?

Kaji:
非常に相性が良い場所だと思います。我々執事も、このような職業があることを発信していく必要があるのですが、同時に守秘義務が非常に強い職業でもあります。お仕えするお客様の都合上、名前はギリギリ出せるが、顔を出すのはNG、ということが多いです。なので、仮の姿・名前で執事のことについてお伝えできるメタバースは、執事にとって相性が良いです。身振り手振りで伝えることができる、という点も大きいですね。

そして、「場所にとらわれない」という点も重要です。私も執事になってから知ったのですが、意外と地方に執事志望者が多いです。しかし、執事を目指すにはやはり東京などに行く必要があり、ハードルが存在します。そこで「執事に興味はあるけど、地方なので……」という方向けに情報発信をしたり、現在企画中の体験イベントに参加いただくことで、認知度の向上や人材発掘につなげていければと考えています。

――ありがとうございます! 続いて「私立VRC学園」側への質問になりますが、今回のコミュニティコラボはどのような経緯で実現したのでしょうか?

せと。/setohima:
前回参加したことも大きいと思いますが、サンリオ様の掲げる「みんななかよく」という方針と、様々な団体や個人から講師を募り、文化や技術を新しい人へ伝えていく「私立VRC学園」のコンセプトが合致している点が、今回もお声がけいただいた理由なのかなと思います。

楪シオン:
「私立VRC学園」のイベント内容そのものが、授業を通して共通の話題を持ってもらい、そこから仲良くなってもらうというのも大きいですね。今回の課外授業でも、授業内容を話題にしつつ、そこからみんなでパレードを見に行く、といった流れにつながることで、サンリオVfesというイベントに貢献できるかなと考えています。

――今回のコミュニティコラボ実施にあたって、どのようなところに注力しましたか?

せと。/setohima:
前回から授業内容を大きく見直しています。前回はVRChatを始めたばかりの初心者向けの内容が多かったのですが、今回はより「私立VRC学園」本体に近づけて、VRChatの文化などを発信していくという内容にシフトしています。講師陣もその方向性から選出させていただきました。「私立VRC学園」の体験会に近いものと考えていただければよいかと思います。

――前回も含めて、コミュニティコラボの反響・感触はいかがでしょうか?

せと。/setohima:
これまで学園で授業を受けたことがある生徒に加えて、「これまで学園を知らなかった人」も参加されているのが、手応えとしてあります。

楪シオン:
課外授業をきっかけに「私立VRC学園」へ参加された方もいらっしゃいますし、逆に学園の生徒・卒業生がサンリオVfesに興味を持って、イベントに参加するという方もいらっしゃいますね。相乗効果が見込めているのかなと。

――このあとの開催回に参加してみたい、と思っている方へ一言あればお願いします!

せと。/setohima:
今後の課外授業では、「VRC茶道部」という団体を運営されている茶道家と華道家の方に日本文化の魅力について語っていただいたり、フォトグラファーの方に写真撮影について込み入った話をしていただく授業が実施予定です。そして3月12日の第4回では、サンリオの関係者の方にご登壇いただく予定です。

VRChatの団体や文化を知るだけでなく、サンリオ側の深いお話を聞くこともできる、貴重な場になります。いろんな方に来ていただければと思いますので、どうぞお待ちしております!

コミュニティコラボ「私立VRC学園 みんななかよく課外授業」概要

開催日時 ・2月20日(火)22:00~23:00(終了)
・2月27日(火)22:00~23:00
・3月5日(火)22:00~23:00
・3月12日(火)22:00~23:00
授業内容 ・2月27日(火)「茶道家&華道家が案内する!日本の文化入門!
・3月5日(火)「VRCで写真を撮ってみよう!~バーチャルフォトの楽しみ方~
・3月12日(火)今後発表予定
参加費 無料
開催プラットフォーム VRChat(PC版、モバイル版 両対応)
参加方法 事前に以下イベントアカウントにフレンド申請を送り、イベント開始時間にJOIN。
※参加者数制限あり。
VRC_HighSchool(VRChatユーザーページ)
ハッシュタグ #私立VRC学園
詳細 https://v-fes.sanrio.co.jp/event/VRCHighSchool

VRChatのイベント参加については、以下のページもご参照ください。


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