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Roblox 2021.05.30

海外で1.5億人が熱中! ゲームプラットフォーム「Roblox」は日本でも流行るのか?

2021年、デジタル・オンラインコミュニティが日常化しつつある中、オンラインゲームプラットフォームRobloxに熱い視線が注がれています。

日本ではまだ知名度が決して高いとは言えませんが、世界全体では月間アクティブユーザー数が1.5億に到達するほどの盛り上がりを見せており、今まさに大きな成長を遂げています。

さらに驚くのが、その中心にいるのはティーンエイジャーであることです。果たして、少年少女たちは、なぜ「Roblox」に夢中となっているのか。そして日本でもこの先、流行するのか? 今回の記事では、出来ることの解説や、実際触ってみてのインプレッションを紹介します。

そもそも「Roblox」とは?

Roblox社が運営する「Roblox」は、多人数で遊べるオンラインゲームプラットフォームです。スマートフォン(iOS・Android)やPC(Windows・MacOS)、Amazonデバイスからアクセスでき、ペット育成からピザの配達、対戦型シューターまで、さまざまなゲームを基本無料または有料で遊ぶことができます。

2020年7月の時点で、Robloxは1億5000万人以上の月間アクティブユーザーを抱えており、その大多数を占めているのが18歳以下の子どもたち。レゴブロックのようなカジュアルな見た目をしており、欧米ではすでにマインクラフトやフォートナイトのような高い人気を獲得しています。

Robloxの大きな特徴が、専用ゲームエンジンRoblox Studioでユーザー自身が制作したゲームを配信できること。200万人以上の開発者たちが参加しており、中には「Adopt Me!」「Meep City」など数十億~数百億回プレイされたゲームが複数あります。

さらにゲーム内通貨の「Robux」を通して収益化も可能で、例えば有償のゲームの配信やアバター用コスチュームなどの販売もできます。

VR方面では「Steam VR」にも対応。Roblox社CEOであるBaszucki氏はNintendo Switch、PlayStation、Oculus Questを将来の理想的なプラットフォームとして挙げており、今後実現への取り組みが注目されています。

ゲーム以外の活用も充実

Robloxはゲーム以外にも活用の動きが出ており、シンガーソングライター「エイバ・マックス」のバーチャルコンサートがRoblox内にて開催されました。会場にはアルバムの超自然的な雰囲気が組み込まれ、アバターに使用できるグッズも販売。エイバ自身は3Dアバターではなく生身の姿で出演しています。

また、ファッションブランドGUCCI(グッチ)とのコラボレーションでは、GUCCIの世界観を表す展示が期間限定でRoblox内に登場。展示空間に入るとアバターがシンプルなマネキンへと姿が変わり、空間を巡るにつれ体験に合わせてマネキンの姿が変化するといった、バーチャルならではの仕掛けも施されていました。

人気沸騰の育成ゲーム「Adopt Me!」を遊んでみた

Robloxには日々新しいゲームが次々と配信されており、どれから遊べばいいか迷うかもしれません。今回はアクティブユーザー数が10万人を超え、訪問数が累計227億回を誇る人気ゲーム「Adopt Me!」をプレイしてみました。

本作はペットの世話をしながら育成していくゲームで、開始するとプレイヤーは自分がベビーか親かを選択したのち、ペットのエッグを貰います。

ペットは食事させたりシャワーを浴びせたりして要望を叶え続けると、やがて別の姿に成長。芸を覚えさせたり、ドレスアップしたりとその育成を楽しめます。もちろん新たなエッグの購入も可能です。

街には他のプレイヤーも歩いており、それぞれユニークなペットを連れ回していたり、車を走らせていたりするなど、オンラインならではのわちゃわちゃ感が楽しめます。感覚的には「cluster」などのソーシャルVRに近い雰囲気です。

この手のゲームによくある重さや操作性の悪さを感じる場面はほとんどなく、スマホのバーチャルパッドでも快適にプレイできます。特にオートカメラと目的地へのナビゲートのおかげで移動がスムーズなのは好印象です。一方で日本語に翻訳されてない部分も多く、一部バグに遭遇する場面もありました。

「Adopt Me!」は育成ゲームとして革新的な内容ではありませんが、オンラインによる開かれた空間で遊べるというだけでもとても新鮮な印象を受けます。特におもちゃ箱をひっくりかえしたようなワールドは歩いているだけでも発見があり、子どもたちにも人気が出そうな空気を肌で感じ取れました。無料で気軽に遊べるので、Robloxを初めて体験するならば、「Adopt Me!」から触ってみるのもいいでしょう。

「Roblox Studio」でゲーム制作も可能!

Robloxの専用ゲームエンジン「Roblox Studio」は、PCブラウザー版Robloxからダウンロードできます。ゲーム制作というと複雑なプログラミングや3Dモデリングを想像するかもしれませんが、Unityのような一般的に普及しているゲームエンジンに近い印象です。

ゲームを作り始めるためのテンプレートも最初から用意されています。


ただし5月25日現在、ソフトの日本語対応はまだされていないので「誰でも気軽に作れる」までのハードルは高め。Roblox Studioのサポートページやコミュニティも日本語化されておらず、今後公式の対応を待ちたいところです。

利用する際の注意点

本サービスの対象は7歳以上。海外では多くの子どもたちがプレイしているものの、ゲーム内チャットや課金要素があるためトラブルに巻き込まれる可能性があります。

本サービスでは12歳以下の子どもへのフィルタリングが行われている他、アカウントの制限ONにすることで不適切なコンテンツや連絡を制限できます。

また、日本の一般的なソーシャルゲームと違い、ゲーム内通貨(Robux)をゲームプレイを通して入手することはできません。基本的にはストアで購入することとなるため、不正な入手を語った詐欺には十分気をつけましょう。

なお5月25日時点では、スマホ向けアプリのサポートから日本語サポートページがリンクされていません。日本語サポートページでは、支払いや子ども向けガイドラインなどが確認できます。

・Roblox 日本語サポートページ

今後、日本でも盛り上がるのか?

今勢いのあるプラットフォームとして、新たなトレンドを生み出している「Roblox」。ゲームごとの日本語対応や文化の違いなど、国内普及への課題もまだまだ多いですが、同時に成長の伸びしろがまだまだあることを示しています。

例えば、現在10代に人気を博している「マイクラ」や「フォートナイト」のように”モノを作る”部分にフィーチャーしているあたり、ゲームを作ってみたいと考えているユーザー層がリーチすれば、国内でのヒットも十分ありえます。一方、保護者側からすれば、ネットトラブルに巻き込まれる心配があるので、これから日本向けのサポートをより強化してくれることに期待しています。

もしRobloxに興味が湧いたならぜひ一歩足を踏み出し、そのムーブメントを体感してみてください。

【関連リンク】
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執筆:ノンジャンル人生


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