スマートグラスを開発・販売するVuzixは、医療分野でのスマートグラス使用事例をまとめたレポートを発表しました。医療ユースケースでの具体的な効果や、関心を寄せる医療従事者の特性などが明らかになっています。
本レポートは第三者の調査会社により、2023年5月3日〜5日に実施されました。米国在住の外科医506名を対象としています。
なお、本レポート内に記述される「スマートグラス」は視界に情報を表示するデバイスを指し、現実空間の状況に応じてARコンテンツを重畳させたり、小型ディスプレイを参照したりするデバイスは除いているものと考えられます。
25%の現場で導入、若い世代ほど関心が高い
本レポートによると、対象外科医の25%が「すでにスマートデバイスを診療や手術に導入」しており、さらに31%が「スマートグラスの臨床での利用を積極的に検討している」とのことです。また、19%の外科医が「スマートグラスを試し、診療に役立つ」と感じています。
特に、若い世代は医療分野のスマートグラス導入に抵抗が少ないという結果も明らかになっています。25〜34歳の外科医のほぼ5人に2人(37%)がスマートグラスで医療トレーニングを受けた経験があり、「外科教育や外科手術の効率を高めることができる」と認識しています。
具体的な効果は収益性向上や医療ミス軽減
また、調査対象外科医の49%が「スマートグラスが手術室でのヒューマンエラーによる合併症や死亡を減らす可能性がある」、48%が「スマートグラスを使った遠隔支援などを通じて外科医の正確さ、スピード、効率が向上すると思う」と回答しています。
スマートグラス導入による具体的な効果としては「収入と収益性の向上」「医療リスクの軽減」「遠隔医療の改善」が挙げられています。
多岐にわたる外科専門医が導入を進める
本レポートはスマートグラス導入が進む医療分野も明らかにしています。導入率トップは心臓血管外科の47%。次いで、小児外科(34%)、一般外科(34%)、脳神経外科(34%)、口腔顎顔面外科(32%)、心臓胸部外科(30%)となっています。
産業用スマートグラス開発のVuzix
調査を実施したVuzixは、米国に拠点を置き、視界に情報を表示できるスマートグラス「M400」や「Blade 2」等を開発・販売しています。特に医療業界や製造現場での導入実績を数多く有し、法人向けにソリューションを展開しています。