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AR/MR 2018.07.01

ゲームの舞台は現実 ポケGOのナイアンティックが進める「リアル・ワールド・プラットフォーム」

人気ゲーム「ポケモンGO」の開発で知られるナイアンティックは、サンフランシスコのオフィスでプレスイベントを開催し、開発中の3つの機能を公開しました。同じARオブジェクトを見ながら複数人で対戦したり、協力したりといった、これまでにない楽しみ方や遊びを実現しています。

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複数人で楽しむAR

カメラを通して現実の世界にポケモンが現れる「ポケモンGO」。世界中で高い人気を誇るこのゲームですが、いくつかの課題も指摘されています。その中のひとつに、ARのオブジェクトを利用したゲームを、他のプレイヤーとリアルタイムで遊べないことが挙げられます。大勢のプレイヤーが強力なボスポケモンと戦うレイドバトルや、他プレイヤーとポケモンを交換する機能などはありますが、リアルタイムにARオブジェクトを通じてやり取りする手段は今のところありません。

しかしナイアンティックが今回発表した、「Real World Platform(リアル・ワールド・プラットフォーム)」は、この限界を越えるかもしれません。複数人でプレイするARゲーム機能など、いくつかのデモが紹介されており、その1つは実際に体験もできました。

ARサバイバルゲーム「Neon」

1つ目はのARゲームは「Neon」というコードネームで開発されているようです。スマートフォンを使用してARの光の弾を発射、他プレイヤーと対戦して遊ぶゲームです。動画では6名でこのゲームをプレイしています。

このデモは倉庫の1室で行われました。床から弾を拾い、他のプレイヤーに向かって追尾する光の弾丸を発射します。撃たれたプレイヤーは弾を避けることができませんが、自分の撃った弾で相手の弾を打ち消すことができます。

残念ながら、メディアUploadVRの記者はこの約90秒間のデモを体験したあと、「つまらなかった(underwhelming)」との感想を記しています。このデモは「ハリー・ポッター」シリーズを題材にしたナイアンティック「Harry Potter: Wizards Unite」での魔法による決闘シーンでの使用が考えられますが、プレスイベントでは今後の展開については触れられませんでした。

よりリアルな「ポケモンGO」、協力する謎解きゲーム

その他にも2つのデモ映像が発表されています。ARが周りの現実世界を反映し、物陰を通るときはポケモンが隠れて見える、といった「ポケモンGO」の新しい機能です。ナイアンティックが新たに買収したMatrix Mill社の手掛けるこの機能では、ポケモンがより自然に現実の世界に溶け込んでいるように見えます。

そしてもう1つは、複数のプレイヤーが協力してパズルを解くゲーム、コードネーム「Tonehenge」です。デモ動画からは「プレイヤーは白いマスクを装着したアバターとなり、他のプレイヤーの画面でも見える」「ARオブジェクトを実際に操作できる」という2つの特徴が見て取れます。

「ポケモンGO」のプレイヤーは、同じ場所に集まってもそれぞれのスマートフォン画面を覗きこんで各々プレイするだけです。しかしこの「Tonehenge」では、各自のスマートフォンを使いながらも、協力して現実の世界に浮かぶ謎を解くことができます。

次世代のモバイルARへのステップ

今回発表された「Neon」と「Tonehenge」はいずれも技術デモの段階であり、完成したゲームタイトルではありません。しかし次世代のモバイルAR技術に向けた、最初のステップだと言えるでしょう。しかも、この2つはどちらもスマートフォンで実行しており、デバイス側(ハードウェア側)は特別なものを用いていないように見えます。機械学習やAIといったソフトウェア側の変更だけで実現している点も、とても興味深いところです。

(参考)UploadVR


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